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寝る前のたった5分で安眠を得る心理テクが発見された件

Journaling

 5分で安眠を得る心理テクとは?

寝る前の5分でぐっすり眠れる心理テクがあるよ!」っていうオモシロ論文(1)が出ておりました。

 

 

これはベイラー大学の実験で、57人の学生が対象。まずは全員をラボに呼んで、1週間ほどそこで寝泊まりしてもらったらしい。

 

 

実験では、全体を2つのグループに分けております。

 

  1. 寝る前に5分だけ「次の日にやらなきゃいけないこと」を紙に書き出す
  2. 寝る前に5分だけ「今日または前日に終えた作業」を紙に書き出す

 

そのうえで全員の脳をEEGで計測して、どれだけ素早く眠れるようになったかをチェックしたらしい。この手の実験って、参加者の主観だけで効果を確かめることも多いんで、わざわざEEGを使ってるのはすばらしいですねー。

 

 



寝る前のToDoリスト作りで眠れるようになる?

研究者いわく、

 

忙しい現代社会では、私たちのToDoリストは日に日にふくれあがる。そのため、寝る前に「未消化のタスク」が頭の中をよぎるため、心配事を増やすタネになっている。

 

ほとんどの人は、単に自分の頭の中だけでToDoリストを回している。ならば、寝る前にToDoを書き出しておけば、心配事で眠れなくなる悪影響を減らせるのではないかと考えた。

 

とのこと。「心配事を紙に書くとメンタルにいい」ってのは何度も証明されてきた事実ですが、このテクニックが快眠にも使えるかどうかを調べたわけですね。

 

しかし、ここで2つの考え方があるだろう。ひとつめは、未消化のタスクについて考えたら逆に不安感が増してしまい、睡眠を妨げる原因になってしまうのではないか、というものだ。この考え方からすれば、すでに終わった作業を書き出す方が、不安感を増さずに済むことになる。

 

もうひとつの考え方は、未消化のタスクを書き出せば「重荷が降ろした」ような気分になるのではないか、というものだ。この考え方からすれば、明日のToDoを書き出す方が心配は減るだろう。

 

ってことで2パターンの状況を設定したわけですな。

 

 

寝る前のToDoリストで寝つきがよくなった

で、どんな違いが出たかと言いますと、

 

  • 寝る前に明日のToDoを書き出した人は、眠りにつくまでの時間が平均で9分ほど速かった

 

だったそうな。9分というとショボい印象があるかもですが、実はこの数字は、睡眠薬を使った時の寝入りの良さと同じレベルだったりします。つまり、ToDoの書き出しには薬と同じぐらいの効果があるのではないか、と。

 

 

ToDoリストで寝る前のネガティブ思考が減る

研究者いわく、

 

1日を通して、私たちの頭の中にはいろいろな思考が巡っている。そのうち、いくつかはひたすら頭の隅に残り続けてしまう。

 

しかし、物理的に紙に書き出す行為は、隅に残った思考を少しだけ頭の外に追い出してくれる。おかげで、思考のポーズボタンを押したような効果が得られるのだ。

 

実験の結果を見ると、ToDoを書き出したグループは頭の興奮が減り、ネガティブな思考を何度も考えて不安になるような事態をまぬがれたようだ。寝る前のネガティブ思考ほど睡眠に悪影響を与える要素はない。

 

とのこと。まだ終わってないタスクを書き出すと、そのことを脳がグズグズと考えずに済むようになり、おかげで安心して眠れるようになるわけですな。

 

寝床に入って2分以内に眠りにつけない人には、手っ取り早いフィックスになるだろう。

 

ってことなんで、安眠したい方はぜひお試しあれ。私も前から「寝る前に明日の作業を書き出す」ってのはやってたんですけど、安眠効果もあるってのは、言われてみればそうかもしれませんねー。

 

 

ちなみに近年では、ネガティブな感情を紙に書きまくると頭が良くなる!って報告も出てますんで、なんでもかんでも書きまくるのが良さげですな。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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