「笑顔こそが最高の表情である」はどこまで本当か?問題
笑顔が最高だ!はどこまで本当か?
よく「笑顔こそが最高の表情だ!」みたいなことを言いますが、「そうとは言い切れない!」と真っ向から否定する論文(1)があっておもしろかったです。
これはポーツマス大学の実験で、128人の男女が対象。まずは全員に14人の男性と16人の女性の顔写真を見てもらったらしい。
どの表情がもっとも魅力的かを採点してもらった
それぞれの写真は数パターンの表情を表現してまして、一例としてはこんな感じ。
ひとりの写真につき、怒り、悲しみ、幸せ、恐怖、嫌悪、驚き、ニュートラルなどの顔が表現されております。
ただし、参加者にはすべての写真を見せたわけじゃなくて、数パターンの表情からランダムに1枚だけを見てもらった模様。その上で、「この写真の人物がどれだけ魅力的だと感じたかを採点してください」と指示したんだそうな。
要するに、その人を最強に魅力的に見せるベストの表情はあるのか?って問題をチェックしたわけですね。これは木になるところですなー。
イケメンはどんな表情でも一定してイケメン
さて、分析の結果がどうだったかと言いますと、
- どんな表情だろうが、その人の魅力レベルは一定していた!
だったそうな。笑ってようが怒ってようが、ルックスがよければ魅力的だと判断されるし、ルックスが悪ければ魅力度は一貫して低いんだ、と。
ちなみに、この結果は性別や年齢などに関係なく起きる模様。それぐらい元々のルックスは大事ってことですかね。
研究者いわく、
持って生まれた顔の作りを変えるのは難しい。そのため私たちは、相手がどんな表情をしていようが、その人が魅力的がどうかを判断できるのだ。
とのこと。不機嫌な顔しててもイケメンは魅力的だし、どんなに笑顔でもブサメンはカバーできないという、実に身もふたもない話ですね。
表情は性格のシグナルとしての意味を持つ
とはいえ、もちろん表情は意味がないってわけではなくて、
顔の魅力は、長い人類の歴史において、男女が引かれ合うための重要な要素であり続けてきた。ほとんどの人は、顔が良い相手を好むものだ。
ただし、それでも男女の出会いにおいては、いまだ表情は重要な役割を持っている。その人物が付き合うに値する相手かどうかh、やはり表情で判断するしかない。
といったフォローもされておリました。そりゃあ、いつも不機嫌そうな人よりは、穏やかな笑顔のほうがいいっすもんね。実際、親切な男ほどモテモテだ!ってデータもあったりしますし、その意味では「笑顔が最強だ!」ってのも間違いではないですな。
そんなわけで、この実験を実生活に活かすのは難しいですけど、とりあえず「どうせ表情じゃ魅力度はカバーできないんだから、顔写真は好きな顔で写ればいいなじゃい?」ぐらいのことは言えましょうか(笑)。
ちなみに、写真写りに関する研究としては、ほかにも「モテやすい自撮りのアングル」とか「27%も印象が良くなる写真の撮り方」なんてデータを過去に取り上げてますんで、あわせてご参照いただければ幸甚です。