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「鼻」を使ってストレスを激減させる方法が発見される

Nose1

  

Tシャツの臭いでストレスが減る? 

久々に「ストレス対策」に関するヘンな論文(1)が出てきたんでメモしときます。

 

 

これはブリティッシュコロンビア大学の実験で、96人の女性を対象にしております。実験では、まず全体をランダムに3つのグループに分類。

 

  1. 自分の恋人が着たTシャツの臭いを嗅ぐ
  2. 知らない人が着たTシャツの臭いを嗅ぐ
  3. 誰も着てないTをシャツの臭いを嗅ぐ

 

そのうえで、みんなに「ニセの職業面接」や「暗算テスト」なんかをしてもらってストレスを高め、最後に血液サンプルを調べたんだそうな。ちなみに、この実験で女性だけが選ばれたのは、男性よりも嗅覚の刺激に敏感だからだそうです。

 



恋人の臭いでストレスホルモンの量が下がった

すると、こんな違いが出ました。

 

  • 恋人の臭いを嗅いだ女性は主観的なストレスが低く、ついでにストレスホルモン(コルチゾール)の量も少なかった!

 

コルチゾールってのは、当ブログでおなじみの重要なホルモン。ストレスに反応して量が増える物質で、くわしくは「慢性的なストレスで激しい老化を引き起こす「コルチゾール」の話」などをどーぞ。ざっくり言えば、恋人の臭いでストレスに強くなるって現象が、客観的も正しいことがわかったわけっすな。

 

 

見知らぬ人の体臭でストレスホルモンが増えた

研究者いわく、

  

若い年代のころから、人間は見知らぬ他者を恐れる傾向がある。特に見知らぬ男性には恐怖感が強い。そのため、知らない男性の体臭を嗅ぐと、私たちの神経には「闘争逃走反応」が起こり、コルゾールが分泌されてしまうはずだ。

 

しかも、この現象は、本人が気づかないうちに起きる。

 

人類は長年にわたって小さな集団で暮らしてきたんで、見知らぬ人を見ればストレスが激増するわけです。となれば、当然、体臭にも同じことがおきるのだ!って話ですね。実際、見知らぬ人のシャツを嗅いだグループは、体内のコルチゾールレベルがアップしてたんだそうな。

 

 

恋人の体臭はストレス対策に使える

また、この実験では、ストレスの下がり方にも個人差が出てまして、

 

  • 「このTをシャツは恋人が着てたやつだ!」と見抜いた人ほどストレスは低かった!

 

みたいな傾向があったんだそうな。これまたおもしろいですなぁ。

 

多くの人は、自分のパートナーのそばで寝たり、ときにはパートナーの服を借りることもあるだろう。しかし、この行為により大きな安心感を得ていることにはあまり気づいていない。

 

 ってことで、意外と多くの人は、恋人の体臭を安心装置として使ってるらしい。

 

社会の国際化が進むとともに、私達は新しい街へ度々移動することが増えてきた。

 

今回の調査でわかったのは、あなたが好きなパートナーが着た服の臭いを嗅ぐだけで、自宅から遠い場所にいてもストレスを下げられるということだ。

 

パートナーの体臭さえあれば、本人が目の前にいなくても、ストレスに立ち向かう強力なツールとして使うことができる。 

 

そんなわけで、特に女性の方におかれましては、新しいストレス対策の一貫として、つねにパートナーのTシャツを携帯しとくといいかもしれません。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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