アーユルヴェーダ秘伝のハーブ「フェヌグリーク」でテストステロンは増えるのか?
フェヌグリークで筋肉が増える?元気になる?
テストステロンアップ系のサプリに関するご質問をいただきました。
フェヌグリークってどうなんでしょうか?ネットでは飲んだら元気になったやテストステロンがたくさん出るというのですが。
とのこと。フェヌグリークってのはアーユルヴェーダなどで古来から使われてきたハーブで、確かにいまは「テストステロンが上がる!」とか「筋肉が増える!」みたいな宣伝文句で販売されてたりします。
フェヌグリークが効くというデータはサプリメーカーがスポンサー
そもそも、なんでフェヌグリークが騒がれるようになったのかと言えば、おそらく2010年の論文(1)が大きいのかなーと思うわけです。30人の男性に500mgのフェヌグリークを8週間ほど飲んでもらったら、体脂肪は落ちるわ、テストステロンは増えるわ、ベンチプレスの成績まで上がるわで、いいことづくめだったというんですな。
が、ここまですごい効果が出てると逆に疑いたくなってしまうのが世の常。実際、このデータのスポンサーを見てみると、フェヌグリークを作ってるサプリメーカーだったりするんですな。これでデータが無意味になるわけじゃないものの、眉唾にはなりますわな。
最近の実験ではフェヌグリークの結果はどうだったか?
では、直近のデータではどうかというと、これがどうにも結果はイマイチだったりします。たとえば、
- 2017年のメアリー・ハーディン大学による実験(2)。45人の男性に1日500mgのフェヌグリークを飲んでもらったが、8週間でテストステロンの上昇は見られなかった。
- 2011年のAIASによる実験(3)。健康な男性60人に1日600mgのフェヌグリークを飲んでもらったが、やはりテストステロンは増えなかった。ただし、参加者の主観的な幸福感などはちょっと上がった。
みたいな感じ。どっちも実験デザインは悪くないもんで、これらを見る限りはフェヌグリークはかなり劣勢じゃないでしょうか。
イヤーな副作用もあるかもよ
さらにフェヌグリークで難点なのが、もしかしたら甲状腺ホルモンに良くないかもなーって疑いがあるとこ。これはまだ動物実験の段階なんですが、フェヌグリークにはトリプシンって成分が入ってまして、こいつが甲状腺ホルモンの働きをジャマする可能性が言われてるんですよ(4)。
甲状腺ホルモンってのは人体の代謝に関係してるホルモンで、この働きが低下するとメキメキと元気がなくなっちゃう。はっきりした話ではないものの、注意しときたいポイントではあります。
ってことで話をまとめると、
- 「いい結果が出た!」と言ってるデータはサプリメーカーのものしかない
- 他の実験ではテストステロンが増えたって報告はない
- もしかしたら元気がなくなる副作用もあるかもよ
ってとこですね。そんなわけで、個人的にはまったくオススメしないサプリのひとつですねぇ。テストステロンを増やすなら、とりあえず基本の6ポイントを忠実に守ったほうが確実かと思われます。