強いメンタル作りに欠かせないアミノ酸「トリプトファン」入門
メンタルに欠かせないアミノ酸「トリプトファン」とは?
ふと思いついたので「トリプトファン」の話を書きます。
トリプトファンってのは必須アミノ酸のひとつで、お肉なんかにふくまれてる成分。当ブログでは「快眠に効くサプリ」として取り上げることが多いんですけど、近ごろは「メンタルを安定させるのにも必須だよ!」ってデータがさらに増えてきまして、(おもに私の中で)盛り上がってるんですな。
トリプトファンの何が素晴らしいかというと、体内でメラトニンとセロトニンの原料になるからであります。ご存知のとおり、メラトニンは睡眠の質を高めるのに欠かせないホルモンで、セロトニンはメンタルの安定に欠かせないホルモン。つまり、メンタルを健やかに保つために必須の二大ホルモンを作り出すにも、トリプトファンは絶対に必要な要素なわけっすね。
トリプトファンが足りないと頭も悪くなる
そんなわけで、トリプトファンの摂取量が足りないと、当然ながらメンタルがダダ崩れになって行ったりします。そのへんの悪影響についてはノースダコタ大学のレビュー論文(1)がまとめてくれていて、もしトリプトファンが足りないと、
- とにかくいつも暗い気持ちに!
- 頭の回転が遅くなる!
- ワーキングメモリが崩壊!
- 論理的な能力も低下!
といった現象が起きるんだそうな。このあたりのデータを受けまして、最近では「アミノ酸セラピー」なんて言葉も出てるぐらい。やっぱアミノ酸って大切ですよね。
トリプトファン不足で頭痛が起きたりとかも
また、この他にもトリプトファン不足で起きる症状としては、
- 夜に眠れなくなる
- なんだか知らないけど頭が痛い
- つい健康に悪いものを食べちゃう
- 線維筋痛症
などがあったりします。なにせトリプトファンがないとイライラしがちなんで、ついついお菓子を食べたりしがちなんですな。
ちなみに、以前に「自然に過食が減るかもしれないサプリ」として「5-HTP」ってのを紹介しましたが、こちらもトリプトファンファミリーのひとつだったりします。要するに体内のセロトニン量を増やしてイライラを減らし、ストレス性の過食に立ち向かえるようになるわけっすね。
トリプトファン不足を補うには何を食べるべきか
逆に言えば、いまの時点でトリプトファンが不足してる人は、そこさえ改善しちゃえば、
- 頭の回転がもどる
- 論理的な思考力も上がる
- 頭痛も去るかも
- 気分も安定する
- ぐっすり眠れるようになるかも
といったメリットが得られるわけで、もし心当たりがありそうな方は、ぜひとも積極的に補充していって欲しいところです。具体的にどんなものを食べるべきかというと、
- 卵
- 鶏胸肉(できれば抗生物質フリーのもの)
- 魚(とくにタラかサーモン)
- ジャガイモ
- バナナ
- スピルリナ
あたりでしょうか。このほかでは、カッテージチーズやヨーグルト、 豆類なんかもたまにはアリって感じです。ただし基本はサーモンか鶏むね肉じゃないでしょうか。
目的別:トリプトファンサプリの使い方
ってことで基本的には食事からトリプトファンを摂ればOKだろうと思うわけですが、「もっと手っ取り早く行きたい!」「正確な分量を摂りたい!」というあなたのために、いちおうサプリの使用法も紹介しておきます。これについては1970年代から知見がたまってますんで(2,3)、このへんを参考にして行きましょう。
まずトリプトファンの用量用法は以下のようになります。
- 睡眠の改善に使う場合:寝る前に1〜2gを飲む
- メンタルの安定に使う場合:1日2〜6gを飲む
- 頭痛とか痛みの対策:1日2〜4gを2回にわけて飲む
- イライラが原因の食べ過ぎ対策:1日0.5〜2gを飲む
このへんが目安ですが、あくまで「トリプトファン不足」の人じゃないと意味がないんでご注意ください。普段から鶏むね肉をたくさん食べてるような人が飲んでも無意味なはず。
目的別:5-HTPサプリの使い方
もうひとつ、トリプトファンの仲間である5-HTPにも触れておきます。こちらはトリプトファンに比べるとデータが少ないものの、やはりそれなりの知見がたまっております(4)。
5-HTPの具体的な使い方としましては、
- メンタルの安定に使う場合:1日300mgを3回にわけて飲む
- 頭痛とか痛みの対策:1日400〜600mgを飲む
- 線維筋痛症の対策:1日300mgを3回にわけて飲む
- イライラが原因の食べ過ぎ対策:1日900mgを3回にわけて飲む
といったところ。トリプトファンも5-HTPも副作用が少ないサプリではありますが、普段からセロトニンを増やすような薬やトリプタンのような頭痛薬を服用している方は、必ず利用の前に主治医に相談してくださいませ。
ってことで、メンタルの安定に欠かせないアミノ酸「トリプトファン」のお話でした。とにかく、不足するとすぐに悪影響が出やすい栄養素なんで、意識しておいていただけると幸い至極であります。