朝食の21%をタンパク質にすると食欲は減るし脂肪も燃えるし、みたいな実験
朝にガッツリ卵でタンパク質を摂る実験
ちょっと前に「朝食にホエイプロテインを摂るといいよー」みたいな研究を紹介したことがありました。ざっくり言えば、朝にホエイプロテインをガッツリ飲んだグループは体重が減りまくったという話です。
なんせタンパク質は食欲を抑える作用が高いもんですから、朝食に限らず摂っておくといいわけです。私は朝食を食べない派ではありますが、夜は基本的にハイプロテインです。
ってところで新しい実験(1)では、普通体型の子供が高タンパクな朝食を食べたらどうなる?ってとこを調べてておもしろかったです。というのも、いままでの実験って肥満の中年を対象にしたものばっかだったんで、どうしてもデータに偏りがあったんですよ。
総カロリーの21%をタンパク質にしてみたらどうなる?
これはアーカンソー大学の実験で、8〜12才の子供35才を対象にしております。それぞれの体型は、標準体型とやや太めが半々ぐらい。まずは全体を2つのグループにわけております。
- 高タンパクな朝食:総カロリー341kcalのうち、21%がタンパク質(18g)、52%が糖質、27%が脂肪の朝食を摂る。
- 高炭水化物な朝食:総カロリー327kcalのうち、4%がタンパク質(3g)、67%が糖質、29%が脂肪の朝食を摂る。
高タンパクグループは、おもに卵でプロテインを摂取。高炭水化物グループは、代わりにワッフルを食べた模様。脂質と食物繊維の量は、どちらのグループも同じになるように調整されております。
まぁ21%がタンパク質ってそこまでのハイプロテインでもない気がしますが、この手の実験は少ないんで貴重なデータと申せましょう。
高タンパクの朝食にはこんないいことが
で、朝食から4時間後に子供たちの状態を調べたところ、こんなことがわかりました。
ポイント1.高タンパクな朝食のほうがカロリーが燃える
標準体型か太りぎみかに関わらず、高タンパクな朝食を摂った子供は、みんな代謝がアップしてカロリーを消費しやすくなったらしい。具体的な数字としては、高炭水化物グループにくらべて、
- 脂肪は16%燃えやすくなった
- 糖質は32%燃えやすくなった
だったらしい。タンパク質のほうが食後の代謝が上がるのは有名ですけど、わりとハッキリした差が出ましたねー。
ポイント2.高タンパクな朝食のほうが食欲は減る
タンパク質が食欲を抑えるのは上にも書いたとおりですが、この実験でも、体型に関わらずすべての子供が高タンパク食で満腹感が高まったとのこと。具体的な数字としては、
- 空腹感は14%ダウン
- 満腹感は32%アップ
だったそうな。こちらも結構な差になっております。
ポイント3.高タンパクな朝食は血糖値も安定する
高タンパク食でも高炭水化物食でも、食後は同じように血糖値は上がったものの、その後で違いが出たみたい。具体的には、
- 食後から30分後は、高炭水化物グループのほうが血糖値が10%高かった。ただし、この違いは標準体型の子供にしか現れなかった
- 食後から240分後は、高タンパクグループのほうが血糖値が6.3%高かった。
これを見ると、太り気味の子は高タンパクのほうが血糖値が安定しそうですが、そんな大した差でもないんで、あんま気にしなくていいかも。
ポイント4.高タンパクな朝食は肥満体型へのメリットがデカい
標準体型の子供でも高タンパクな朝食を食べたら代謝は上がったんですが、その効果は太り気味の子供のほうが大きかったらしい。具体的な数字としては、
- 太り気味:4.09kcalほど代謝アップ
- 標準体型:3.68kcalほど代謝アップ
ぐらい。微妙な差ではありますけど、毎日のように続けばそれなりの違いにはなるでしょうな。
まとめ
そんなわけで、高タンパクな朝食は、食後の代謝もよくなるし食欲も減らしてくれるしで、いいことだらけだよ!みたいな実験でした。
といっても、この実験は1日の結果しかみてないんで、長期間にわたったらまた違う結果が出る可能性はあるかも。そのあたりはご注意ください。
いずれにせよ、「朝のパンを卵に置き換えるだけで凄い効果が!」みたいなデータもありますし、朝食でガッツリとタンパク質を摂るのは体重メンテナンスにも役立つナイスな戦略ではないかと思う次第です。どうぞよしなに。