BCAAが筋肉の回復に効ききまくる!はどこまで本当か?
BCAAは筋肉をすばやく回復してくれるのか?
当ブログでは、何度か「BCAA」ってサプリを取り上げております。軽くおさらいすると、筋肉に欠かせないアミノ酸をまとめた商品で、筋トレ系サイトなんかだと、
- 筋肉が増える!
- 疲れが取れる!
- よく眠れる!
みたいに絶賛されてたりします。
といっても、いまんとこBCAAのデータは少ないもので、本当にそこまでの効果があるのは未知数。逆に最近では「BCAAを減らすしたほうが健康に?」みたいな動物実験が出たり、個人的にも「買わなくていいんじゃないのかなぁ…」とか思ってたりもします。
筋肉の回復に関するBCAAのメタ分析が出た
といったところで、近ごろ「BCAAは本当に疲労の回復に効くの?」って疑問をガッツリ調べた論文(1) が出ましていい感じです。
これはテヘラン大学の研究で、過去に行われたBCAAの実験データをまとめたもの。みんな大好きメタ分析で、計5件の研究から187人の男性を対象にしております。
実験では1回3〜32gまでのBCAAを使っていて、ロイシン、イソロイシン、バリンの比率は 2:1:1。だいたい筋トレの30〜60分前後にBCAAを飲んだうえで、筋肉のダメージと主観的な疲労感に変化が出るかを調べたんだそうな。
主観的な筋肉痛には効いてるっぽいが……
さてそれでどんな違いが出たかと言いますと、
- BCAAにはトレーニング後の筋肉痛を減らす効果があった。ただしその効果は低めで、200点満点で−17ポイントぐらい
- ついでに、筋トレ後のクレアチンキナーゼを減らす効果も見られた(≒筋肉のダメージが速く修復したかも)。いっぽうで乳酸脱水素酵素には変化がなかった(こちらも筋肉のダメージ量を示す指標になる)
って感じ。なんとなく効果はありそうな気がしますが、ちょっとモヤッとした結果っすね。
まぁこのメタ分析は、筋トレの前後にBCAAを飲んだパターンでしかデータを取ってないんで、もっと別のタイミングや用量だったら違う結果が出てたような気もしております。
また、別の実験(2)なんかを見てると、ロイシン(BCAAの成分のひとつ)が効果的なのは「タンパク質量が足りないときじゃない?」って印象もあるんで、参加者が普段どれぐらいプロテインを摂ってるかでも結果は変わってきそう。
結局はホエイプロテインでいいんじゃないか説
そんなわけで、今回の結果をみる限りBCAAにはそれなりの効果がある感じ。筋肉をすばやく回復させて、短期間でガンガン追い込みたいような人にはいいのかもしれません。
が、やはりBCAAには問題がありまして、
- ホエイプロテインにも普通にBCAAが入っている
- BCAAはホエイプロテインよりも値段が高い
ってのが難点になりましょう。しかも、いまのとこBCAAにはそこまでの効果が出てるわけでもないんで、ささいな変化のためにお金を出すのもどうなのかなーと思うわけです。
ちなみに、今回のメタ分析で使われた「BCAAを3〜32g」ってのは、ホエイプロテインに換算すると「10〜100g」に相当します。そう考えると「東大がオススメするプロテイン」などを買ったほうがコスト的にもよかろうと思う次第です。