コーヒーやココアの発がん性物質「アクリルアミド」にはどこまでビビればいいのか?
コーヒーやココアのアクリルアミドは大丈夫?
こんなご質問をいただきました。
パレオさんはよくコーヒーやココアを勧められてますが、アクリルアミドの問題はどうお考えでしょうか?ネットでココアにはアクリルアミドの毒性があると書いてあるサイトがあって、怖くなってしまいました。
とのこと。アクリルアミドってのは有名な発がん性物質の一種で、小麦やジャガイモを高温調理したときに発生しがちな成分であります(だいたい120度ぐらい)。
で、確かにアクリルアミドはコーヒーやココアにも発生することがわかってまして、ちょっと怖くなるところではあります。コーヒーやココアをスタメンサプリにしている当ブログとしても大事なテーマなので、ちょっとまとめて見ます。
アクリルアミドの安全ラインはどれぐらい?
さて、いまんとこアクリルアミドについてもっとも信頼できるのは、2008年にハーバードメディカルスクールの先生方がまとめてくれたレビュー論文でしょう(1)。過去のアクリルアミドに関するデータを精査してくれてまして、とても勉強になります。
まず前提から言いますと、現時点でアメリカの環境保護庁が出してるラインは、
- 体重1Kgあたり2mcgのアクリルアミドを摂るとやばいよ!
って感じ。これが具体的にどんなもんかというと、一般的な人は1日に体重1kgあたり0.5mcgのアクリルアミドを摂取してるそうな。つまり、たいていの人は十分に安全ラインなわけですね。
ココアをガブガブ飲んでも余裕で安全ライン
では、ご質問にあったコーヒーとココアについて申し上げますと、
- コーヒー:だいたい250mlで2mcgぐらいのアクリルアミドをふくむ
- ココア:だいたい5gで0.29〜4.5mcgのアクリルアミドをふくむ
ぐらいのもんです。ガブガブ飲んでもまったく危険レベルには達しない感じ。
ポテチとかフライドポテトのほうがよほどヤバいが…
では、多くの人が何からアクリルアミドを摂ってるかと言うと、
- フライドポテト(38%)
- クッキーとかケーキとか(17%)
- パン(14%)
- ローストナッツ(14%)
- コーヒー(8%)
だそうな。とりあえず一番多いのはフライドポテトとかポテトチップスで、
- フライドポテト:だいたい12本で49mcgぐらい
- ポテトチップス:だいたい15枚で17.9mcgぐらい
みたいになっております。あと意外なところではプルーンとかオリーブなんかにも多くふくまれてたりしますが、いずれにせよそんなにどか食いしなければ問題がないレベルでしょう。
というか、そもそも「アクリルアミドってどこまで心配すればいいの?」ってとこについても、まだ決まった見解があるわけじゃなくて、「とりあえず減らせるならそれにこしたことはない」ぐらいのイメージだったりします。一部のサイトでは「最恐の発がん物質」みたいに書いてるとこもありますけど、そこまで極端にビビる必要はまったくないです。
まとめ
そんなわけで、以上の話をまとめると、
- とりあえずコーヒーとココアは何の心配もなし
- ポテチとかフライドポテトはできれば食べないほうがいいよ!
といったところ。まぁ「パレオダイエット」のガイドラインを実践してれば自然とアクリルアミドの摂取量も減りますんで、コーヒーやココアを怖れるよりも、加工食品の削減に邁進した方がいいかもしれません。