「 小さな食事を1日6食」は痩せるどころか体に害があるかもだ
小さな食事を1日6食は体に害がある?
以前に「食事は1日6回に分けて食べたほうが痩せる!は嘘」ってエントリを書いたことがありまして。
ざっくりおさらいすると、世間には1日の食事を6食にするってダイエット法があるけど、これは信頼性が高いデータでガッツリ否定されてるよー、って話でした。詳細は省きますが、わりと制度が高いメタ分析で得られた結論でして、小分けの食事には意味がないと考えてよさそうであります。
で、その後もいろいろと見てたら、今度は「小分けの食事は無意味どころか体に悪い!」って論文(1)がでてきて「へー」と思ったのでした。
1日6食と1日2食の違いをくらべてみた
これはチェコの糖尿治療センターが行った実験で、糖尿病に悩む患者さん54人が対象。年齢は30〜70才で、BMIは27〜50、HbA1cは8〜11.8%だったそうな。
実験では、まず全員にカロリー制限を指示しまして、普段の食事からマイナス500kcalまで減らすように申しわたしたらしい。ただし、その際に全体を2つのグループにわけまして、
- 1日に小さな食事を6回取る
- 1日に大きな食事を2回取る(朝食と昼食のみ)
って感じにしたらしい。実験デザインはクロスオーバーで、全員が12週間ずつ「1日6食」と「1日2食」の食事法を行ったとのこと。
もちろん全員の総摂取カロリーは同じで、3大栄養素のバランスも等しくそろえたとのこと。このあたりは基本ですね。
全体的に1日2食の圧勝
その上で体重や空腹時血糖値を調べたところ、以下のグラフのようになりました。A6が「1日6食」で、B2が「1日2食」です。
ということで、1日2食のほうが体重も減り(-3.7kg vs. -2.7kg)、HFCも空腹時血糖値も1日6食が大負けしております。思ったよりも明確な違いが出ましたねー。
ちなみに、その他の数字でいうと、C-ペプチドや肝臓の脂肪なんかも1日2食グループの勝利だったようで、どうも1日6食にはかなり部が悪い結果になってますね。
1日6食で逆に空腹感が増してしまう
でもって、この実験では参加者の空腹度なんかもチェックしてるんですが、こちらもおもしろい結果になってたりします。具体的には、
- 1日6食のほうが…
- 食後の空腹感が強い
- 血中のグルカゴン(空腹感を伝えるホルモン)が増えていた
って違いが出たらしい。小分けにして食べるほうが空腹がまぎれそうなイメージがありますけど、実際は真逆なわけですな。おかげで、1日6食の参加者は、1日2食よりも食事のことばっかり考えるようになったんだとか。
ちょっと意外な結果ではありますが、考えてみれば私も、普通に1日3食ずつ食べてたときよりも、1日1食に切り替えた今の方が空腹に振り回されずにすんでますからねぇ。過去のメタ分析でも「プチ断食の方が食欲が減る!」って結論が出てますし、そんなもんなのかも。
まとめ
研究者いわく、
糖尿病の患者にとって、朝と昼に1日に2回だけ大きな食事をするほうが、同じカロリー量を1日6回に分けて食べるよりも体重と血糖値のコントロールには有効なようだ。
とのこと。とりあえず糖尿気味の方は、食事を小分けにしないほうが良さげですね。
もちろん、これは糖尿病の患者さんを対象にした実験なんで、健康な成人にも同じ結論が当てはまるかは不明であります。まぁ個人的には1日1食で問題を感じてないので、今後も1日6食にはしないつもりですが。
ただ、体脂肪が10%を切ってるような人の場合は、もしかしたら1日3食ぐらいは食べた方がいいのかもなんで、そのへんもご注意ください(体脂肪が少ないと体にかかるストレスも大きいので、小分けに食べた方がいい可能性はある)。