「ストレスはいいものだ!」と考えるだけで仕事の生産性は大きく上がる!かも
仕事の生産性はストレスの考え方で大きく変わる
「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」などを読んだ方であれば、「ストレスの影響は考えかたで変わる!」って発想はおなじみでしょう。
ざっくり言うと、一般的には悪玉とされるストレスは常に悪いものではなく、当人が「ストレスはいいものだ!」と思ってれば、逆にモチベーションを上げたり、健康維持の役にも立ってくれるんだよーみたいな話です。プラシーボ効果みたいなもんですな。
でもって、新しい論文(1)では、「ストレスの考え方によって仕事の生産性も上がるかも!」って結論になっててナイスでした。
これはマンハイム大学の実験で、いろんな職種から171人の従業員を集めて行ったもの(おもに教育職とIT職が多い)。まずは全員にサーベイを行って、みんながストレスについてどう思ってるかを調べたんだそうな。
ストレスのマインドセットを調べてみた
具体的には、
- ポジティブ・ストレス・マインドセット=「集中力やモチベーションを上げてくれるし、ストレスにもいいとこがあるよね!」と考えている。
- ネガティブ・ストレス・マインドセット=「不快で嫌な気分になるから、できるだけストレスは避けたいよね…」と思っている。
の2パターンに分類したみたい。そのうえで、参加者には1日に3回ずつ日記をつけてもらう作業を1週間ほど続けてもらったんだそうな。
こちらはどんな指示が出たかというと、
- 朝=「今日の仕事はどう進みそうか?」を書く
- 昼=「仕事をこなすために、どんな対策を取ったか」を書く(計画とかスケジュールとか)
- 夜=「今日の仕事ぶりはどうだったか?」を書く
って感じです。朝の計画どおりに事が進んだかどうかを記録してもらったわけっすね。
ストレスのマインドセットがポジティブな人ほど生産性は高い
その結果、どんな違いが出たかと言いますと、
- 「ストレスはいいものだ!」と思ってる人ほど、朝のモチベーションが高く、仕事に対して明確なスケジュールを立てる傾向があり、実際に1日の生産性も高かった
だったそうな。また、ストレスに対してポジティブだと、寝る前の疲労感も格段に少なかったようで、これまたうらやましいところですね。
いっぽうで「ストレスは良くない!」と思ってる人は、完全に真逆の結果が出たそうで、仕事の量が増えるほど適切な対処を取らなくなり、最終的には疲れ切った状態で1日を終えたそうな。こりゃエラい違いっすね。
まぁこの実験だと「ストレスに対してポジティブだと生産性が上がる!」って因果関係を実証したわけじゃないんで、そこらへん注意が必要ではありましょう。実際に、ネガティブなマインドセットの人を訓練で変えてみて、そのうえで生産性を測らないとなんとも言えないところです。
また、この研究では1日単位のストレスしか見てないので、そのへんもご注意ください。というのも、長期的にストレスを感じた場合には、健康も生産性も大きく下がるって傾向は、いろんなデータで出てますんで。あくまで短期的なストレスではマインドセットが大事かもって話です。
まとめ
ってことで、ここまでの話をまとめると、
- 1日レベルのストレスに関しては「自分を高めてくれるナイスな要素だ!」と考えたほうがよさげ
- ただし、1日レベルのストレスでも、あまりに負荷が高すぎると死ぬ可能性もあるんで注意
- 長期的にずーっと感じ続けるストレスにはちゃんと対処すべき
ってところでしょうか。とりあえず、「ストレス・マインドセット」の考え方はいろいろ有用なんで、押さえておくとよいかと思われます。