一流の睡眠学者「眠れないときは冷凍庫に頭を突っ込め! ベッドに逆さまに寝ろ!」
『睡眠の処方せん(The Sleep Prescription)』って本をチラホラ呼んでおります。これはカリフォルニア大学で不眠症の研究をしているアリック・プラザー先生による一冊で、近年の調査であきらかにされた睡眠改善テクニックを複数まとめてくれていて、勉強になりました。
個人的に勉強になったポイントをまとめておくので、睡眠に問題がある方は、取り入れられそうなところから参考にしてくださいませ。
快眠テク1. 冷凍庫に頭を突っ込む
眠気を取り除くにはカフェインが有効ですが、あまりに使うと睡眠の妨げになってしまうのは有名な話。その代わりに、プラザー先生は、「ちょっとした活動で活力をあげよう!」とをお勧めしております。
具体的には、庭の雑草を取る、本棚を整理する、好きな音楽に集中するなどのように、いったん仕事の手を休めて、5分から10分ほど簡単な作業に没頭してみるとよいとのこと。仕事以外のことに集中することで脳が活性化され、日常から解放されるってことですな。
が、ここで博士は、もっと極端な方法として「冷凍庫に頭を突っ込もう!」って手法を挙げていて、笑ってしまいました。なんでも、冷たさのショックが脳の覚醒システムを起動させて、活力を与えてくれるんだそうな。グラウンディングに近い考え方ですね。
まー、仕事中に会社の冷凍庫に頭を突っ込むのはアレなので、冷水で顔を洗うぐらいでも良いと思いますが。
快眠テク2. 寝室を整理整頓する
仕事の書類、いつも仕事をするPCなど、日中の作業を思い出させるようなアイテムは、すべて寝室から片づけておくのが吉。室内に仕事を思い出させるものがあるだけで、脳はどんどん覚醒状態に切り替わってしまい、どんどん眠れなくなっていきますので。それが無理なら、せめてベッドから見えない位置に移しておきましょう。
快眠テク3. “心配事 "のための時間を確保する
夜間に仕事の不安がわきあがって、急に眠れなくなってしまう人はかなり多めで、不眠を引き起こす原因のトップと言ってもよいでしょう。この問題を撃退するために、プラザー先生は、「1日のどこかで心配する時間を確保せよ」と提案しておられます。
要するに、1日に10分〜20分の時間を割いて、自分が不安に思っていることを書き出したり、解決策を探さずにただ考えたりするわけです。これはハーバード大の先生も推奨する方法で、これによって心配事が夜まで続くことはなくなるとのこと。これは個人的にも使っている方法でして、私のような不安症の人には役立つ手法ではないでしょうか。
快眠テク4. 見飽きたコンテンツにふれる
電子機器から出るブルーライトが脳を覚醒させちゃうから、寝る前にスマホやタブレットを見てはいけないのは有名な話。しかし博士は、スクリーンタイムを減らすのが大事なのはもちろん、就寝前に消費するコンテンツにもっと注意を払おう!と指摘しておられます。
たとえば、ミステリーやスリラーなどの作品を寝る前に読むと、「謎の答えを知りたい!」と思った脳が覚醒して、どんどん眠れない状態が加速しちゃうとのことなんですな。これはわかるなぁ……。
その代わり、博士が推奨するのが、「すでに何度も見てしまって飽きがきたコンテンツ」だそうです。何度も読んだ小説でも映画でもなんでもいいんですが、とにかく脳が「これはよく知ってる」と思えるようなコンテンツであれば、夜間の覚醒状態を防ぐことができ、入眠しやすくなるとのこと。
快眠テク5. ベッドに逆さに寝る
年齢が上がるにつれ、誰でも睡眠が断片的になってくるもの。特に50代をすぎると、夜中に尿意をもよおしたり、痛みで目が覚めたりすることもよくあったりします。
そこで、「なんか眠れないな……」というときは、「いさぎよくベッドから出てしまおう!」というのが博士のおすすめ。20分ほど寝ようとしても眠れないようなら、ソファやリビングルームに行って、瞑想をやったり、見飽きたコンテンツに触れたりなど、静かなことをしてみるのがベストであります。その体勢で起きていたり、眠れないことに体が慣れてしまうと、夜通し眠るためのコンディショニングが難しくなっちゃいますんで。
「夜中に起きても何もすることが思いつかない…」という場合は、そのままベッドに座ってみたり、眠る位置を逆にして、いつもは足を置く位置に頭を置いてみるのも良いとのこと。その状態で、本を読んだり、穏やかな音楽を聴いたりして気持ちを落ち着かせ、再び眠気を感じたら元の就寝態勢にもどればOKであります。