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アシュワガンダでテストステロンが爆上がり? シモの機能も爆改善?みたいな研究の話



このブログやニコ生のブロマガなどで、よく推奨しているハーブといえば「アシュワガンダ」。昔から「不安に良い!」とか「ストレスに良い!」と言われてきたアダプトゲン(ストレス対策を助けてくれる物質)で、抗酸化パワー、抗不安作用、テストステロン増加などのメリットが指摘されてきたんですよ(R)。というわけで、ハーブ系サプリのなかでは「アシュワガンダはかなり良い感じだよなー」と思ってる次第です。

 

 

で、新しいデータ(R)もアシュワガンダの実力を調べたもので、「アシュワガンダによって男は元気になれるのか?」というポイントを調べてくれてました。少しフワッとした書き方をしてますが、要するにアシュワガンダで男性のシモの機能は回復するのかって問題です。

 

 

もともとアシュワガンダが男性機能に効くという話はありまして、どんなメカニズムなのかと言いますと、

 

  1. そもそも、ストレスや不安が大きい人は、テストステロン(男性ホルモン)が減る傾向がある

  2. アシュワガンダには、ストレスや不安のダメージを減らす働きがある

  3. そのため、アシュワガンダを飲むとテストステロンが上がる!

 

みたいな流れです。男性機能が低下する原因はいろいろありますが、テストステロンの低下は大きな原因のひとつ。この問題をアシュワガンダが解決してくれるのではないかってことですね。

 

というわけで、この8週間のRCTでは、健康な男性50人(平均年齢35歳)を集め、600mgのアシュワガンダ(KSM-66アシュワガンダ®を使ったらしい)またはプラセボのいずれかを飲むように指示したらしい。

 


そのうえで、みんなの男性機能、テストステロン、プロラクチン(賢者タイムをもたらすホルモン)値の変化を調べたところ、結果はこんな感じになりました。

 

  • アシュワガンダを飲んだグループは、プラセボと比べて男性機能が増加し、テストステロンのレベルも15%増加した。

 

なんでも、アシュワガンダを飲んだ人たちは、みんな主観的に「俺はシモが前より元気だぜ!」って気分になり、実際に男性ホルモンの量も増えていたんだそうな。15%ってのはそこそこ凄い数値ですね。

 

 

ただ、個人的には「アシュワガンダでテストステロンが上がるか?」ってのはまだよくわからんと思っていたりもします。たとえば、以前の研究(R,R)では、アシュワガンダを8〜12週間にわたって飲んだグループは、プラセボと同じぐらいしかテストステロンが上がらなかったんだそうな。

 

 

まー、アシュワガンダの主要成分であるウィダノライドってのは、テストステロンと構造が似ていまして、そのおかげでテストステロンと同じような効果を発揮する可能性はあります。が、いまのところアシュワガンダでテストステロンが増えるのかってのは、はっきり言えない段階じゃないでしょうか。

 

 

その点で、やはり今回の結果は、メンタル改善の影響が大きいんじゃないかなーと思ってまして、実際に「性機能の問題はメンタルのトラブルが原因だ!」って報告が多いもんですから。たとえば、

 

  • 63のRCTをまとめた2020年のメタ分析では、プラセボ治療でも男性の機能は小から中程度のレベルで改善し、その効果は薬物と大差がないと結論している(R)。つまり、男性のシモの問題ってのは、かなりメンタルの要素が大きいってことですな。

 

  • 8つのRCTをまとめた2018年のメタ分析では、女性のシモの機能不全に対する治療効果のほとんどはプラセボ効果によって説明されると報告している(R)。女性のシモの問題も、かなりメンタルの要素が大きいってことですな。

 

みたいなのが代表的なところです。わりと精度が高めなデータでは、「ヒトの性機能にはメンタル改善が大事だ!」って結論が、何度も報告されているんですよ。この意味で、アシュワガンダの効果も、ストレスのダメージに効いてるのが大きいのかもしれません。

 

 


要するに、今回の話をまとめると、

 

  • アシュワガンダが、男性の元気さに効果を持つ可能性はある。ただし、その根本的なメカニズムの理解からはほど遠い。

 

  • いまのところ、アシュワガンダのメリットとしては、抗不安作用、ストレス軽減作用、抗酸化作用、抗炎症作用のほうが、それなりに手堅い証拠があるので、こっちのほうが効いてる可能性が高いんじゃないかなぁ……

 

ってところです。いずれにせよ、アシュワガンダのメリットについては手堅い証拠がありますんで、気になる方は「KSM-66アシュワガンダ」を使うもよし、「ストレスに効きまくる優良『アシュワガンダ』はこれだ!」を使うもよしであります。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。