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「中年の危機」は都市伝説?中年期は人生でもっとも活気にあふれる時期だという話


中年の危機」って心理学用語がありますよね。30代の後半から40代前半にかけて価値観の転換や欲求の変化が起きて、必ず人生の転換期が起きるという説。



 

わたしも何とはなしに信じてまして、「そろそろ自分にも中年の危機が来るんだろうか…」とか思ってたんですが、いま読んでる「本当は間違っている心理学の話: 50の俗説の正体を暴く」によると、そもそも「中年の危機」がウソだったらしい。

 

本書によれば、

 

いくつかの研究の結果、「中年の危機」は誤りだと明らかになっている。データによれば、実際に中年期に危機を経験した人は全体の10〜26%にすぎない。(Brim, 1992; Wethington, 2000) 加えて、中年期は心理的な機能がピークを迎える時期であることがわかっている。(Lachman, 2003)


とのこと。さらに、

 

「離婚」は中年の危機における典型的な状況の1つだが、実際には離婚は中年期よりも前に起こりやすい。 (Clarke, 1995) アメリカ以外の他の文化圏においても、特に中年期がストレスが多くて困難な時期だとの証拠はない


ついでに「サイエンスデイリー」にも似た研究(1)が出てまして、

 

オーストラリア国立大学のストレンガー教授は、「中年期は人生でもっとも活気にあふれ、成長が可能な時期だ」と断言している。 (中略)「人生の前半で、自分についてよく学び、その知識を活かすようにすれば、人生の後半も最高に豊かになる」


ってことらしい。こりゃまた、わたしのようなアラフォー男には、やる気の出る話ですなぁ。


credit: Ricardo Alguacil via FindCC


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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