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2015年に読んで良かった本ベスト10

Books

年末ということで、今年読んだ本のベストを並べておきます。今年は207冊ほど読みまして、自分のなかでは当たり年でした。あらためて見直すと、自分が気に入った本ほどブログで感想を書いてないので、来年はなんとかしたいところです。



 

 

 

10位 漫画版 世界の歴史

今年から急に世界史ブームが来まして、初学者向けの本をいろいろ読んでおります。なかでも集英社版の「漫画 世界の歴史」は分量がありまして、ヒトの歴史は長いなーという超当たり前の事実を実感させていただきました。わたしのようなヌルい歴史好きにおすすめ。

 

 

もっと手軽に世界史の流れを知りたければ「学研まんが世界の歴史」でも良いかと思いますが、こちらは典型的な昭和の学習マンガなんで好みがわかれそう。

 

 

9位 鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン!

 ぽんたがかわいい。

 

 

8位 データの見えざる手

いつも身につけられるセンサーで人間の行動を大量に記録したら、ヒトの行動の法則が数字で見えてきたよ!という一冊。体の揺れや方向を記録しただけで会話の盛り上がり度がわかったり、1日の活動時間は29%がリミットだと判明したり、「去る者は日々に疎し」ってことわざが数字で証明されたりと、いろんな行動が方程式に落とし込めていくんだそうな。これまでは経験者の知恵やベテランの直感に頼っていたものが、どんどん数字で再現できるようになっていく感じ。うーん、衝撃。

7位 失われてゆく、我々の内なる細菌

ピロリ菌研究の第一人者による警告の書。 現代人は腸内細菌のバラエティが少なくなっており、そのせいでさまざまな現代病が起きてるんじゃないの?って仮説がくわしく述べられております。ここ数年は科学界でも腸内細菌ブームが起きてますんで、基本書として押さえておいて損のない一冊かと。

 

 

6位 ネガティブな感情が成功を呼ぶ

意識が高そうな邦題に引いちゃう人も多いでしょうが、原題は「あなたの悪いとこの良いところ」でして、怒りや不安といったネガティブな感情のメリットについて述べた堅実な心理学書になっております。安っぽい成功本じゃないので、安心してお読みください。

 

 

簡単な概要は「気分が沈んだ人は分析力が高まり、気分が良い人は創造性が高まる」に書きましたんで、興味がある方はどうぞ。映画「インサイドヘッド」でも「ネガティブな感情は大事!」ってのが大きなテーマになってまして、近年の心理学におけるポイントのひとつかと思います。

 

 

5位 人体600万年史

猿人の時代から600万年にわたって人体の進化を追いかけ、現代病の発症を解き明かしていく一冊。けっこう前に原著で読んで以来、わたしのパレオダイエット生活の元ネタ本になっております。パレオダイエットの背景を知りたい方はぜひどうぞ。邦訳も上手くていい感じ。

4位 荘子

個人的に岩波版の「荘子」はチンプンカンプンだったんですが、岸陽子さんが訳した徳間版は本当に読みやすい。ようやく「荘子」をまともに読むことができて感動しました。こんなに孔子へのバッシングが多い本だったとは知らなんだ。わたしのように理屈っぽい人は、たまに読むと解毒剤になっていいですよ(笑)

 

 

3位 仏教思想のゼロポイント: 「悟り」とは何か

本書についてはくわしい感想を書いたのでご参照ください。いろんな仏教の入門書を読んできましたが、これほどモヤモヤを晴らしてくれる一冊はありませんでした。「悟り」の明確な定義がおもしろく、原題の幸福学とのからみで読んでみるのも吉。もちろん普通の仏教入門としてもオススメできます。

 

 

2位 スキーマ療法―パーソナリティの問題に対する統合的認知行動療法アプローチ

「スキーマ療法」は認知行動療法の一種。ゆがんだ思考を生み出す根っこの部分を「スキーマ」と呼び、メンタルの根本治療を目指すテクニックであります。がんの治療にたとえるなら、認知行動療法は抗がん剤のような具体的な治療法なのに対し、スキーマ療法はがん細胞の全摘出を目指すようなイメージ。

 

 

うつ病から人格障害まで適応が広く、スキーマの生物学的なメカニズムにまでちゃんと触れているのも好印象であります。ACTとか弁証法的行動療法とか、認知行動療法から派生したテクニックはいっぱいあるんですが、わたしには「スキーマ療法」が一番しっくりきました。これに合わせて「認知行動療法実践ガイド:基礎から応用まで」を読めばメンタルヘルスの備えはバッチリ。

 

 

1位 スキーマ療法入門 理論と事例で学ぶスキーマ療法の基礎と応用

こちらは上の「スキーマ療法」をやさしくかみ砕いた一冊。説明が上手いのはもちろん後半のケーススタディがバツグンに面白い。とくに治療が難しい境界性パーソナリティ障害の女性が少しずつ立ち直っていく様子には感動されられました。幅広く応用が効くテクニックになっていて、人格障害までいかずとも「なんとなく人生が生きづらいなー」と感じているすべての人におすすめ


また同著者による「自分でできるスキーマ療法ワークブック」も良書なんで、ひとりでスキーマ療法を試してみたい方はどうぞ。わたしも地道にセルフワークを進めております。

 

 

まとめ

 というわけで今年の10冊を紹介しましたが、ほかにも、

 


あたりを楽しく読ませていただきました。2016年も世界史&スキーマ療法ブームは続きそうな感じですかねー。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。