ビタミンC点滴で癌が死ぬ!説に新しい進展があったぞ
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ビタミンC点滴で癌細胞は死ぬのか?
昔から「大量のビタミンCが癌に効く!」って話がありまして、アンチエイジングドックなどでは、高濃度のビタミンC点滴が定番メニューのひとつになってたりします。
もっとも、「ビタミンCが癌に効くの?」って話については紆余曲折がありまして、
- 1970年代にライナス・ポーリング博士が高濃度のビタミンCが癌に効くって説を提唱
- ところが、80年代に検証したテストでは効果の実証に失敗。一気に仮説が不人気に
- しかし、90年代に「口から飲んでも癌に効くような量にならないんじゃない?」との新説が浮上
- 2000年代には「ビタミンCを点滴で大量に入れればいいんじゃない?」みたいな話に(1)
- 2010年の生体外テストで、ビタミンCに癌細胞を殺す働きが確認される(2)
- 一部のクリニックが「ビタミンC点滴は癌に効く!」と宣伝スタート ←イマココ
といったところです。個人的には、生体外実験のレベルで「癌に効く!」と宣伝しちゃうのはどうなんすか?と思うわけですが、いまのとこ仮説としてはあり得なくもないなーぐらいのレベルではあります。
放射線治療にビタミンC点滴をプラス
ってとこで、今度は実際に高濃度のビタミンC療法を患者さんに行った実験(3)の結果が出まして、話が一歩進んでおりました。
これはアイオワ大学の研究で、脳腫瘍に悩む患者さん11人を対象にしたもの。みんな週7で放射線治療と抗がん剤治療を受けていて、そこへ1日15〜87.5gのビタミンC点滴をプラスしたらしい。
そこで、どんな変化が起きたかと言いますと、
- 癌の進行がとどまる期間が9.4カ月に延びた(通常の平均は7カ月)
- 全体的な生存期間が18.2カ月に延びた(通常の平均は14カ月)
- めだった副作用はなし
みたいな感じ。そこまで劇的ではないものの、明確な違いは出てますねぇ。どうやら、大量のビタミンCで癌細胞が死ぬって話は、それなりに正しいのかも。
現時点でのまとめ
ってことで、なかなか良い結果が出てますが、いまのところはまだ「ちょっと希望が出てきたな…」ぐらいにとらえておいたほうがよさげ。なにせサンプル数が少ないですし、コントロール群もないので。
とりあえず現時点で言えるのは、
- 口からビタミンCを入れるのはムダ
- 高濃度のビタミンC点滴は安全
- ビタミンC点滴で放射線治療と化学療法の効果がちょっと上がるかも
って感じです。高濃度ビタミンC点滴はだいたい1回20,000〜25,000円ぐらいなので、あくまで放射線治療や抗癌剤を受けたうえで、コストと相談していく形になるでしょうねぇ。