今週の小ネタ:イケメンvs. ブサメン、ごますりの悪影響、肥満と記憶力
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
「痴性派イケメン vs 知性派ブサメン」勝つのはどっちだ?
まずはワルシャワ大学の研究(1)で、男性278人と女性276人を対象にしております。どういう実験かというと、
- 全員で5分間のスピードデートをしてもらう(短時間だけ会話して好きな相手を決める)
- 会話が終わった後で女性の参加者に、「どの男性をイケメンだと思ったか?」と「どの男性が頭が良いと思ったか?」を採点してもらう
って感じ。これにより、ルックスと知性とモテの関係が調べられるわけですな。
その結果がどうだったかと言いますと、
- イケメンの場合は、知性がちょっと上がっただけでも「また会いたい」と思われる確率が爆上がりする
- 冴えない男の場合は、知性がかなり上がっても「また会いたい」と思われる確率はそんなに上がらない
だったそうな。つまり、イケメンは知性が1ポイント上がっただけでも「また会いたい!」と判断されるのに、顔がよくないと知性が5ポイント上がったとしても「まぁ会ってもいいか……」ぐらいのご利益しか生まれないわけですな。ツラい!
といっても、これはスピードデートの話なんで、長く付き合って行けばまた結果も変わりましょう。実際「コミュニケーションの時間が長くなればルックスのハンデをはね返せる!」って話もありますからねぇ。
「ごますり」は意志力を激しく下げるぞ!
お次はオレゴン州立大学の研究(2)で、中国のソフトウウェア企業に勤める75人を2つのグループにわけております。
- 上司をおだてまくって自己アピール
- 自分の能力を上司に伝えまくって自己アピール
って感じで2つのアピールをくり返しながら、2週間ほど過ごしてもらったらしい。上司はうざかったでしょうな(笑)
さて、そこでどんな違いが出たかと言いますと、
- 「ごますり」を使った参加者は、1日の終わりに疲労感が激増。セルフコントロール能力は激減!
- 「自慢」を使った参加者には、特に疲労感やセルフコントロールの減少は見られなかった
だったそうで、上司にゴマをすりまくった参加者は同僚と不仲になり、会議をサボったりする傾向が見られたらしい。
それもそのはずで、ちゃんとゴマをするためには、自分がいかにも誠実そうなフリをしなきゃいけないし、言いたくもないことも言わなきゃいけないですからねぇ。自分に無理をさせまくった結果、自然と意志力がけずられていくんですな。
研究者いわく、
「ごますり」の悪影響は、ごまをすった直後から現れる。そのわりに「ごますり」が仕事に与えるベネフィットは薄く、長期的には大きなダメージをもたらすだろう。
ってことなんで、思ってもいないのにおだてるのは作業効率を下げそうであります。
やはり太ると記憶力が下がる
「太ると脳の働きが下がる!」ってデータは結構あるんですけど、新しい研究(3)でも似たような結果が出ておりました。
これはアルスター大学などの論文で、5186人を対象にした観察研究になっております。参加者は50歳以上の人を選んでまして、ざっくりどんな研究かというと、
- 全員のウエストとヒップサイズの比率を出す
- 認知機能のテストをして、ウェストヒップ比率と比べる
って感じです。その結果は予想どおりで、
肥満が健康リスクをともなうのは有名だが、今回の研究では、肥満が脳にも悪影響を与えることを示した。
ってことで、肥満ぎみの人は記憶力が悪く、言語の運用能力も低い傾向があったみたい。
ちなみに、ここで重要なのは「腹回りの脂肪量」で、BMIよりもかなり正確に脳機能の低下を予測できたらしい。BMIは筋肉量の影響も多いんで、当たり前ではありますが。