【質問】カフェイン入りアイクリームでシワとクマが激減!って本当ですか?
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こんなご質問をいただきました。
カフェインのアイクリームやスキンクリームは効果があるのでしょうか? 最近いろいろなところで見かけて、目の周りのハリが出るとかシワに良いと言われているようなのですが。
とのことで、近ごろ増えてきたカフェイン入りの美容アイテムには意味があるのかという問題ですね。
ご質問のとおり、近ごろはカフェインを配合したスキンクリームが増えてきてまして、たとえば「YEOUTH レチノール アイクリーム」「HARNN [ハーン] ユズ・ベチバー」などが有名どころですね。なかでも人気があるのは「目まわり」をターゲットにしたアイクリームでして、「カラスの足跡のシワやクマが消える!」「わずか4週間で滑らかでハリのある肌!」「疲れたように見える目をリフレッシュ!」といった効果がうたわれております。
カフェインを肌に塗ると美容に良いかも?ってのは、ちょっと意外な気がするかもですが、カフェインは脂肪の分解酵素を刺激する働きを持つので、肌をなめらかに見せる働きはよく言われてきたんですよ。
では、実際にカフェイン入のクリームには効果があるか?ってことで、参考になる研究をピックアップすると、こんな感じになります。
- ポーランドの化粧品・ヘルスケアアカデミーの研究者が2012年に発表したレビューによると、カフェインは、細胞内の脂肪の過剰蓄積を防ぎ、細胞を紫外線から保護し、皮膚の光老化を遅らせ、皮膚の血液の微小循環を増加させる働きはあるとのこと(R)。ただし、カフェインと美肌に関する研究は、動物実験とか生体外研究ばっかりなので、精度はめっちゃ低め。
- ヒトを対象にしたテストとしては、2009年に実施された試験(R)がありまして、こちらはP&G社が行った研究になります。研究チームは、30歳から70歳の女性77人を対象に、1日2回、1回0.5グラムのアイクリームを4種類、すべてをランダムに顔の半分に塗るという2つの試験を実施。このうちの1つはカフェイン入りのアイクリームで、残りは「抗酸化物質を含むSPF30のローション」「ナイトクリーム」「シワ治療薬」だったんだそうな。
でもって、4週間後の違いをチェックしたところ、すべての製品が目の下の皮膚の滑らかさを改善し、シワの深さにも改善が見られたとのこと。ただし、カフェイン入りアイクリームが、他のローションと比較して優れているとはいえなかったそうで、やや残念な結果に終わっております。
ということで、現時点でチェックできる研究の範囲から結論をまとめてみると、
- カフェイン配合のスキンクリームは、他の安価な(カフェインを含まない)製品と同じぐらいの効果しかないかも?
- ただし、カフェインは脂肪を分解する酵素を刺激することが知られているので、一時的に脂肪細胞を脱水することができ、そのおかげで少しの間なら肌をより滑らかでよりしっかりした外観にしてくれるかも?
みたいになります。動物実験を見てると「もしかしたら良いのかも?」とも思えますが、いまのところはわざわざカフェイン入りの美容アイテムを使う意義はないんじゃないでしょうかねぇ。もし意義があるとしても、効果は一時的なもので終わる可能性も高いですし。
そんなわけで、結論としてはいつもと変わらず、
といった感じで考えておけば問題はないはずであります。どうぞよしなにー。