新刊「運の方程式」が2月1日に発売になりまーす
毎度お世話になっております。2月1日に新刊の「運の方程式」が発売になりますので、その告知でーす。
本書は、タイトルどおり「『幸運』を科学で検証したらどうなる?」ってテーマの本でして、類書としてはワイズマン先生の「運のいい人の法則」が有名ですね。
ただ、ワイズマン先生の本が出たのはだいぶ昔だし、その後で研究のアップデートも続いてますんで、そこらへんをまとめたうえで、誰にでも使える方程式まで落とし込んでみました。いわば人生という運ゲーの攻略マニュアルのようなものだとお考えください。
といっても要点をつかみづらいと思うので、前書きの一部を以下に貼っておきます。気になった方は、ぜひ本書をお手に取って見てくださいませ!
人生の成功を左右する最大の要因とは?
人生の成功には何が必要なのか?
そんな興味は昔から絶えず、科学の世界でも多くの研究が行われてきました。収入が多く、高い地位につき、仕事でも大きな業績をあげ続ける。そんな成功者には、どのような秘密があるのでしょうか?
その答えは研究者によって異なり、難しいタスクをやり抜く能力、失敗に負けずに成長を目指すマインドセット、感情のコントロールや共感力といった説が存在します。いずれの考え方も、膨大なデータをもとに「これぞ成功の秘密だ」と主張しあい、説得力ある議論を展開しています。
ところが、近年になって、おもに経済学やリスク分析の分野から、人生の成功に関する新たな見解が提案されはじめました。それは、次のようなものです。
- 私たちの成功は、大半が能力よりも“運”で決まる
生まれつきの知性やコミュニケーションスキルといった個人の能力も重要ではあるものの、それより予期せぬ幸運のほうが人生への影響は大きいというのです。
(中略)
“人生”という名の運ゲー
事実、周囲を見わたせば、世の中は「どうにもならない運」であふれています。代表例を見てみましょう。
- あなたの収入の半分は生まれた国で決まる:経済学者ブランコ・ミラノヴィッチらが118カ国の収入レベルを調べた研究によれば、世界における収入格差の約半分は、その人が住んでいる国と、その国の所得分布で説明がつきます。当然、先進国に生まれた方が年収は高く、それ以外では年収が低くなります。
- あなたの収入と満足度はルックスに影響される:生まれつき見た目が良い人は、総合的に見て収入と人生の満足度が高い傾向があります。経済学者のダニエル・ハマーメッシュらの調査では、世界のどの文化圏でもルックスが良い者ほど収入が高く、平均で美女は8%、美男は4%ほど稼ぎがよかったとのこと。
逆にルックスが下位15%と判断された女性は、平均的な見た目の女性より収入が4%低く、男性の場合は同じ数値が13%も低下しました。同時に、美男美女の55%は「人生に満足だ」と答えたのに対し、見た目が下位にランクされた人たちの数値は45%にとどまっています。
(中略)
個人の力ではどうにもならない“運”の事例を、いくつかご紹介しました。ルックスや生まれ月といった要素は努力で変えようがないにも関わらず、あなたの人生に、大なり小なりの影響をおよぼします。
この他にも、人生の成功を左右する“運”は山のように存在し、持ち前の性格、運動能力、両親の学歴など、すべてを数え出したらきりがありません。やはり人生はしょせん“運ゲー”でしかなく、何をしても無駄なようにすら思えてきます。
が、あきらめるのは早計です。ありがたいことに、近年では“運”を科学の視点から見た研究が進み、良い偶然をつかむ方法がわかってきました。人生が運ゲーなのは間違いないとはいえ、特定のスキルさえ身につければ、ゲームを有利に進めるのは十分に可能なのです。
もちろん、占いやスピリチュアルのたぐいではありません。ここ十数年、ハートフォードシャー大学の心理学部、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの社会学部といった一流機関のチームが「運をつかむ方法」の科学的な調査に取り組み、一定の成果をあげています。
世界有数の学術機関であるプリンストン高等研究所などは、内部に「ラック・ラボ」なる専門の調査機関まで創設したほどで、いかに“運”の研究が注目を集めているかがおわかりいただけるでしょう。科学の力で運を良くできるのなら、その知見を使わない手はありません。
果たして、これらの機関は、“幸運”のメカニズムどう考えているのでしょうか?