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【質問】目のストレッチとか目のエクササイズって意味がありますか?

 


 こんなご質問をいただきました。

 

目のストレッチとか目のエクササイズって意味があるんでしょうか? 目の体操で近視が治るという話を聞くことがあるんですが、うさんくさい気がします。

 

ということで、眼球体操や目のストレッチといったエクササイズには、視力を改善したり、目を鍛えるような効果はあるのか?というお尋ねであります。確かに、テレビやネットの健康サイトなどでも、よく見かける話題ですね。

 

では、目のエクササイズに意味があるかどうかって話ですが、いまのところ「これらの行為によって眼鏡が不要になる!」とか「長期的に大きなメリットがある!」という証拠を示した研究は今のところないとお考えください。たとえば、過去に行われた11の研究をまとめたメタ分析(R)では、921人のデータをまとめたところ、眼球運動を行ったグループは、何もしなかったグループと同じような変化しか見られなかったそうな。

 

まぁ、一部には「目のエクササイズをすることで老眼鏡の必要性が減るかも?」って報告(R)もあったりはしますけど、そのメリットを具体的に示したデータは、かなり限られている感じっすね。私だったら、目のエクササイズには期待しないですかねぇ。

 

これらの研究を見ていると、結局のところ、健康な目を維持するためにできることは限られてまして、だいたい以下のようになるでしょう。

 

  • 子供の目を守りたいとき:すべての子供は、乳児期に基本的な眼科検査を受け、生後6ヶ月から12ヶ月の間に再度検査を受ける。1~3歳の間に3回目の検査を受けたら、さらに3~5歳の間により正式な検査を受けて、目の健康状態、眼鏡の必要性をチェックする。これをやっておかないと、視力の異常発達や弱視・弱視につながることがある。

    また、子供の近視の進行を遅らせるには、定期的に休憩を取り、スマホやパソコンを長時間使わせないようにするのが大事。学校にいないとき以外では、スクリーンタイムに目を近づける時間を制限することで、子供の近視の進行を遅らせることができるかもしれない。

    また、子どもに屋外で遊ばせるのも目に良い。太陽光や屋外の遊びは、小児期の近視の発症率の低下と相関関係が確認されている(R)。

     

 

  • 大人が目の健康を維持したいとき:長時間にわたってスマホのスクリーンを見つめると、眼精疲労や乾燥がめっちゃ起きがち(R)。なので、この問題を防ぐために、20分ごとに20秒の休憩をとり、デバイスから3メートルほど目を離すことを習慣づけると良い。また、目をリラックスさせて、まばたきをすることに集中するのも大事。

    ちなみに、一部では、ブルーライトをカットするメガネは、頭痛や眼精疲労を防ぎ、睡眠を改善すると言われるが、大規模なランダム化比較試験を含むいくつかの研究(R)では、ブルーライト用のメガネを使っても、眼精疲労の症状を変化させないと報告されている。

    また、サプリメントや自然療法についても、視力を改善したり、目のむくみを軽減したりといった証拠があるのもはゼロ。エッセンシャルオイルやその他の外用薬も同じで、視力を改善するという主張には根拠がないのでご注意ください。さらには、一部では「オメガ3がドライアイに効く!」なんて話もありましたが、やはりこちらも強い証拠はなかったりします(R)。

    いまのところ、目の健康を維持したいのであれば、野菜などの健康的な食品を多く含む食事を摂ることで、いくつかの眼病の発症を抑えるのに役立つ可能性が指摘されている(R)。

    さらには、体を動かすことにより、緑内障や加齢黄斑変性症の発症リスクが下がることを示す研究(R)もあるんで、定期的な運動をしておくのも必須。


ってことで、いろいろと書いてきましたが、目のエクササイズを行うことによって、目の状態が改善することはなさそうだよなぁ……ってところです。もしかしたら、人によっては、目の疲れや肩こり・首コリが癒される可能性はありますが、それ以外の効果は期待しないほうが良いでしょう。

 

全体として、眼球のエクササイズは、近視の進行を予防または抑制する効果は限定的か、まったくないと思われますんで、しっかりした証拠が出てくるまでは保留しておいてくださいませ。


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