このブログを検索




「性格で寿命が決まる?」最新研究が示す「長生きのためのビッグ3」をチェックしてみよう

 

「性格が健康に影響を与える」ってのはほぼ間違いのない話で、過去にも「人生の成功に欠かせない『6つの性格』を持っていれば長生きできるかもだ!という観察研究の話」なんて話を書いたことがありました。

 


スポンサーリンク

これは感覚的にもわかりやすい話で、たとえば几帳面な人は健康管理もしっかりしていそうだし、社交的な人はストレスを上手に発散できそうですからね。逆に、いつも神経質でストレスをためがちな人は、健康に悪そうなイメージもありますし。

 

実際、心理学の世界では「ビッグファイブ」って性格特性(外向性、協調性、誠実性、神経症傾向、開放性)が、健康や寿命と関連するかどうかが長年にわたって研究されてきたんですよ。新たに発表された研究(R)もそのへんを深掘りしてまして、「長生きに最も関係する性格ってなに?」ってところをガッツリ調べてくれたんですよ。

 

研究を主導したのは、ワシントン大学などのチームで、6〜43年間にわたる11の大規模なデータセットを解析し、「性格の変化」と「死亡率」の関係をチェックしたんだそうな。その結果、以下の3つの性格特性を持っている人ほど、長生きしやすい傾向があったんだそうな。

 

 

長生き性格1. 誠実性

誠実性が高い人は健康的な習慣を守る傾向があり、結果として寿命が延びる可能性が高いとのこと。たとえば、誠実性が高い人ってのは、

 

  • 医師の指示に従いやすい
  • 栄養バランスの取れた食事を意識する
  • 運動習慣を維持する
  • 飲酒や喫煙などの不健康な習慣を避ける

 

って傾向があったそうで、これが長寿に貢献してたらしいんですな。つまり、「几帳面で計画的な性格」は、そのまま健康への意識の高さにつながるわけっすね。これは過去の研究でも繰り返し示されているポイントで、誠実性の高い人は、そうでない人よりも平均2〜4年長生きすることが分かってたりします。

 

 

長生き性格2. 外向性

外向性が高い人は、他人との交流を好み、アクティブなライフスタイルを送る傾向がありまして、そのおかげで寿命が伸びるんだそうな。研究では、外向的な人ってのは、

 

  • 社交的な活動によってストレスが軽減しやすい
  • 定期的に運動する確率が高い(ジムに行くだけでなく、実際にしっかり運動する)
  • ポジティブな感情を持ちやすく、うつや不安が少ない

 

みたいな傾向が見られたそうで、このような特性が、健康維持や寿命延長に役立つと考えられてるんですな。特に**「誠実性×外向性」の組み合わせが最強** で、「健康的な行動を継続できる+それを楽しめる」というメリットがあるわけです。

 

 

長生き性格3. 協調性

協調性が高い人は、他者との関係を大切にし、良好な人間関係を築くのが得意。そのため、この特性が高い人ってのは、

 

  • 強い社会的サポートを得られる(友人や家族とのつながりが深い)

  • 他者との対立を避けるため、ストレスが少ない

  • 助け合いの精神が健康維持につながる

 

ってメリットを得られるんだそうな。特にこの性格は心疾患との関係が強く、協調性が高い人ほど心臓病のリスクが低いことは過去の研究でも示されてたりするんですよね。ただし、協調性が高すぎて「NOと言えない性格」になると、逆にストレスが増えてしまう点には注意が必要ですが。

 

 

ということで、私の場合は、誠実性と協調性がそこそこ高くて外向性がゼロってパーソナリティの持ち主なので、「あとは外向性だけか……」と思ったりしました(笑)。となると、ここで気になるのは、「今からでも性格を変えれば長生きできるのか?」って点ですが、この研究では「性格の変化」が寿命に与える影響も分析してまして、こんな結果も出てたりします。

 

  • 晩年に性格を変えても寿命にはあまり影響しない

 

歳を取っちゃうと性格を変えても意味がないかも?って感じでして、これはちょっと意外な結論っすね。特に誠実性については、若いころから高いほうが有利で、年を取ってから努力しても「すでにダメージが蓄積されている可能性がある」せいで、効果が薄いんだそうな。うーん、こいつは辛い……。つまり、「健康的な習慣は後回しにせず、今すぐ始めるのがベスト」というわけですな。

 

とはいえ、もちろんこの研究には限界もありまして、「性格の変化がどのタイミングで起こったか?」についてはまだ分析できてないのでご注意ください。たとえば、短期間での性格の変動(「最近ストレスで神経質になってる」みたいな変化)は考慮されてないんで、将来的な研究では、「柔軟な性格の変化」が寿命にどう影響するのかを詳しく調べていく感じになるんでしょうな。

 

まあ、そうは言っても、「誠実性・外向性・協調性を高めて健康になりたい!」って方もいるでしょうから、その際は以下の方法が参考になるかもしれません。

 

  • 誠実性を高める → 1日のスケジュールを作る、習慣トラッカーを使う、目標を紙に書く

  • 外向性を高める → ジムやサークルに参加する、友人との会話時間を増やす、新しいことにチャレンジする

  • 協調性を高める → 感謝の気持ちを伝える、他人の話をよく聞く、小さな親切を意識する

 

最近の研究だと、性格ってのは完全に固定されるものじゃなくて、環境や習慣によって変化するものだって見解が一般的になってますんで、今からでも「長生きのためのビッグ3」を意識すれば、健康的な人生を送れるかもしれないっすね。どうぞよしなにー。


スポンサーリンク
ホーム item

search

ABOUT

自分の写真
1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

INSTAGRAM