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誰の周りにもいる「他人を踏み台にする『社会的クライマー』」の特徴と見分け方

 
 

「この人、本当に自分と仲良くしたいのかな?」みたいな疑問を持っちゃう相手は少なからずいるもの。たとえば、

 

  • 積極的に声をかけてくるんだけど、写真を撮るときだけ親しげに振る舞い、実はフォロワーが多い人にだけ絡んでいる
  • 上司には媚びるが、同僚や部下には冷たく、いざ出世すると、かつての同僚を見下す
  • 経済力や肩書きで恋人を選び、相手が落ち目になると態度が冷たくなる

 

みたいなパターンです。要するに、これらの人たちはみんな“ステータスを追求する結果、他人を踏み台にしようとする人たち”ってことでして、周囲に必ずひとりはいるタイプじゃないでしょうか。

 


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実は、このタイプには学問の世界で名前がついてまして、「社会的クライマー」などと呼ばれてたりします。もちろん、ある程度の「上昇心」を持つのは悪いことじゃないし、より良いキャリアや人間関係を築きたいと考えるのは否定されるようなものでもないでしょう。が、あまりにこの要素が強すぎると、相手から良いように利用されて終わってしまうため、ここらへんは気をつけておいたほうが良いでしょう。

 

ってことで、ロンドン市立大学とローマ国立研究所が行った研究(R)は、この「社会的クライマー」の特徴や行動パターン、そして付き合い方のコツを調べてくれてて有用でした。近くに該当するような人がいる方は、ぜひご利用ください。

 

まず、研究チームは、「ステータスに関する心理的傾向」を以下の3つに分けております。

 

  1. ステータス重要度:どれだけ自分の地位や社会的評価を気にするか。ステータスを非常に重要視する人は、「自分の地位が上がること」に強いこだわりを持っており、誰と付き合うか、どのように見られるかに非常に敏感で、「成功者とつるむこと」に価値を感じる。


  2. ステータス不安:自分のステータスが脅かされると感じたときの不安レベルを意味する。このタイプの人は、「自分が他人よりも下に見られる」ことに強い恐怖を感じる傾向があり、たとえば、友達の誰かが自分よりも成功すると、急に焦ったり、比較して落ち込んだりすることが多い。


  3. ステータス追求:より高い地位を得るために行動する傾向のこと。ステータスを求める人は、手段を選ばずに上に行こうとしがち。結果として他人を利用したり、自分を大きく見せたりすることで、社会的な評価を上げようとするのが特徴。

 

つまり、社会的クライマーってのは、「自分の地位を上げるためなら手段を選ばない」「常に周囲を気にして、自分がどう見られているかを気にする」みたいな特徴を持っているわけですね。

 

では、具体的に社会的クライマーの特徴をもっと見てみましょう。この研究では、社会的クライマーにありがちな特徴をチェックリストにしてくれてまして、セルフチェックができるようになっております。

 

 

社会的クライマーチェックリスト

以下の10項目を、1(まったく当てはまらない)〜5(とても当てはまる)で答えてみてください。

 

  1. 私は社会的地位をとても気にする
  2. 私は自分の社会的地位には無関心だ(逆得点)
  3. 自分の社会的地位が脅かされると強いストレスを感じる
  4. 自分の社会的地位が向上すると、とても嬉しい
  5. 私は社会的地位をあまり気にしない(逆得点)
  6. 私は自分の社会的地位を向上または維持するために努力する
  7. 社会的地位は、私にとって重要な関心事の1つだ
  8. 私は自分の社会的地位を向上させるために特別な努力をしない(逆得点)
  9. 社会的地位に関することはどうでもいい(逆得点)
  10. 社会的地位について深く考えることはない(逆得点)

 

採点が終わったら、逆得点の項目(2, 5, 8, 9, 10)はスコアを逆に換算してください(例:1→5、2→4)。その上ですべてを合計し、スコアが高ければ高いほど、ステータスを重視するタイプだと考えられるでしょう。だいたい35〜50点に入ったら、かなり社会的クライマー度が高いと言えるかもですな。

 

ちなみに、個人的にはこのリストは他人が社会的クライマーなのかどうかをチェックするためにも使えるんじゃないかと思ってまして、「あれ?この人、自分を利用しようとしてる?」と感じたら、上記のチェックリストに当てはまるかどうかを考えてみるのも良いでしょう。

 

でもって、このチェックリストで高得点を出した人は、以下のような行動をとる傾向があったりします。

 

  • 目立つ消費行動をする:ブランド物を見せびらかしたり、派手なライフスタイルをアピールする傾向が強い。
  • SNSを頻繁に更新する:「いいね」やフォロワー数を気にし、社会的評価を獲得するために努力する。
  • 付き合う人を選ぶ:「自分より上」の人と親しくしようとし、「下」と見なした人を見下したり、関係を切る。
  • 人間関係を利用する:「この人と繋がっておけば得をする」と判断すると、積極的にアプローチしてくる。

 

これは確かに「いるよなー」って感じですね。個人的にはこのタイプとは付き合わないほうがいいよなーって感じ、「この人、もしかして自分を踏み台にしようとしてる?」と思ったら意図的に距離を取ってみるとよいでしょうな。ステータスを気にするのは自然なことですが、それに振り回されるのは避けたいもんですなぁ。

 

というわけで、社会的クライマーの疑いがある人を見かけたら、

 

  • 上のチェックリストで相手の傾向を確認
  • 目立つ消費やSNSアピール、肩書き重視の傾向がないか観察

 

ってあたりに気を配ってみてくださいませ。どうぞよしなにー。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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