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元恋人を思い出すと、いまの恋愛がうまくいくかもだぞ!という研究の話

  


元カレ/元カノとの楽しい記憶を思い出した人ほど、現在のパートナーとの満足度が高まるぞ!」って研究(R)が出ておりました。一般には昔の恋人を思い出す行為ってのは「現在のパートナーに不満があるサインでは?」みたいに思われがちですけど、実際にはそんなことはないんじゃないか、と。

 

 

 

元恋人との思い出を文章にしてもらった

これはフロリダ大学などの研究で、現在パートナーがいて、過去に3カ月以上の恋愛経験がある韓国人172人が対象。研究チームは、参加者をおおまかに以下のグループに分けております。

 

  1. 元恋人との懐かしい出来事を思い出して紙に書く
  2. 現在のパートナーとの懐かしい出来事を思い出して紙に書く
  3. 前の週にしたことを思い出して紙に書く

 

これによって、「元恋人への思い出」と「現在の恋人との思い出」が、いまの恋愛にどのような影響を及ぼすのかを比べたわけですね。

 

そのうえで、現在のパートナーに対する満足度やコミットメントなどを測定したところ、結果はこんな感じになりました。

 

  • 元恋人を懐かしく思い出した人は、現在の関係への満足度が上がった

  • 現在のパートナーとの思い出を振り返った人も、関係への満足度が上がった

  • 元恋人を思い出した人は、現在のパートナーへのコミットメントも高まった

 

ってことで、過去の恋愛を思い出すことにより、現在のパートナーへの評価が高まるケースが確認されたんだそうな。これはおそらく、過去の恋愛を思い出すことで、「いろいろあったけど、そのおかげで今の自分がいるんだなぁ……」みたいに人生の流れを再確認でき、その結果としていまのパートナーとの関係にも価値を感じやすくなったんでしょうな。

 

実は同じような現象は過去の研究でも確認されていて、元恋人との懐かしい思い出を振り返ることで、「自分はこの恋愛から成長した」と感じやすくなり、その感覚が現在の関係への評価を高める可能性が報告されてたりします。元恋人へのノスタルジーは、自分の成長を確認する材料にもなるわけですね。

 

 

現在の恋人との思い出が逆効果になることもある

ただし、おもしろいことに元恋人との思い出は良い方向に働くのに、現在のパートナーとの思い出を振り返った場合にはデメリットが認められております。どういうことかと言いますと、

 

  • 交際期間が短い人に限っては、現在の恋人との懐かしい出来事を思い出すことで、パートナーへのコミットメントが下がった!

 

って感じだったんですよ。

 

なぜこんなことが起きたのかはよくわからんのですが、研究チームは「過去の良い時期を振り返ったことで、逆に将来の不確実性が目立ったのでは?」と言っておられます。いまのパートナーとの付き合い始めのころの記憶を思い出した結果、「この楽しい時期はいつまで続くんだろう?」みたいな不安が生まれたのかもしれないってことですな。元カレ/元カノとの思い出は過去を美しく見せてくれるんだけど、今カレ/今カノとの思い出は現在との落差を強調する方向に働くかもしんないわけっすね。

 

 

ノスタルジーと「未練」は分けて考えたい

ここで注意したいのが、元恋人を思い出す行為には、大きく分けて2つのパターンがあるところです。

 

  1. 「あのころは楽しかったな」と過去の出来事を懐かしむこと
  2. 「別れなければ幸せになれたはずだ」と、実現しなかった未来を空想すること

 

これは似てるようで大きな違いでして、前者はノスタルジーで、後者は未練に近い記憶になります。元恋人との関係ってのは、別れた瞬間から記憶が更新されなくなるんで、「あのまま付き合っていたら、もっと理解し合えたはず……」とか「結婚していたら、幸せな家庭を築けたかなぁ」って感じで、いくらでも理想的な未来を作れちゃうんですよね。

 

当然ながら、これらは実際の記憶ではなく、現在の自分が作った架空のストーリーであります。なので、こちらの記憶にひたっちゃうと、脳内の空想と現実のパートナーを比べることになるだけなので注意したいところです。

 

 

元恋人は「実際にどうだったか」で思い出すとよさげ

ってことで、この文献から実生活に活かせる教訓を得るとすれば、

 

  • 昔の恋人について「あの関係から何を学んだか?」「楽しかった経験を、いまの関係にどう生かせるか?」みたいに記憶を引き出すと、現在の恋人との関係性がよくなるぞ!

 

って感じじゃないでしょうか。こんな感じでノスタルジーを使うと、むしろ現在の恋愛を見直す材料になってくれそうなんで。

 

ただし、ここで記憶を引き出すたびに現在のパートナーへの満足感が下がっちゃう場合は注意が必要っすね。その際は、過去の関係を「続いていたらどうなったか?」ではなく、「実際にはどういう関係だったか?」で振り返ってみるのがおすすめです。

 

  • なぜ別れることになったのか
  • 当時は何に困っていたのか
  • 同じ問題が繰り返されていなかったか
  • 良い記憶だけを抜き出していないか

 

といった点まで思い出せば、過去を必要以上に美化しにくくなるんで。お試しあれー。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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