しつこい腰痛は認知行動療法で治せる!ことがほぼ確実になった件
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「腰痛は心の病気だ!」って話を何度か書いてきた当ブログ。最近は、NHKスペシャルでも「脳の変調が慢性腰痛を起こす」って内容が放送されまして、だいぶ一般的にも広まってきた感じです。
認知行動療法が腰痛に効くって話は昔からある
で、つい最近になってオックスフォード大から「認知行動療法が腰痛に効くよ!」って系統的レビュー(1)が出まして、これが非常にいい感じです。
軽くおさらいしますと、認知行動療法は「ものの見方」を変えてストレスを減らしていく治療法のこと。たとえば、
- 仕事で失敗する
- 「オレはダメなヤツだ…」といった考え方が自動的に浮かんで気持ちがへこむ
- そこで「『オレはダメなヤツだ…』という思考が浮かんだ」と考えて自分を客観視
- 気分が落ち着く
- 「誰でも失敗はある」という現実的な考え方に切り替える
といった手順で進んでいきます。シンプルな手法ながら、実際に試してみるとかなり効果的。
認知行動療法が腰痛に効くって話は昔からありまして、日本でも「腰痛診療ガイドライン」に入ってたりします(2)。ただし、まだ他の腰痛治療とくらべて効果が高いのかが、まだよくわかってなかったんですね。
他の治療法にくらべても認知行動療法の効果は高い
そこで今回の論文では、過去に行われた腰痛と認知行動療法の実験1,629件から、質が高いデータだけを29件にまで絞り込み。そのうえで、温熱治療や牽引療法、運動療法といった定番の治療法との効果をくらべたんですね。その結果は、
認知行動療法は、腰の痛み・障害・生活の質などの面において、安静治療や他のガイドラインに沿った治療法とくらべても、すべての年齢層にたいして長期的な改善をもたらした。
といったもの。他の治療法にくらべても、認知行動療法の効果はかなり高いみたい。やっぱ腰痛はメンタルの要素が大きいんですなぁ。
認知行動療法で腰痛を治す方法
では、実際にどのように認知行動療法を腰痛に活かすかと言いますと、
- そう簡単に腰は傷まないことを学ぶ:腰痛がヒドい人は、つい腰をかばった動きをして、結果として運動不足になりがち。「腰痛の原因は姿勢が悪いから!は科学的にはまったく証明されていない」にも書いたとおり、姿勢の悪さや周辺組織のダメージはほぼ腰痛とは関係がないので、「ここで腰を曲げたら痛みそう…」とかビクビクしない。
- 腰の痛みが脳の不調で起きることを理解する:続いて、脳の不調で腰痛が起きるメカニズムを頭にたたきこみます。具体的には、「夜も眠れぬ腰痛に悩んだわたしが、3年の調査でたどりついた唯一の解決策」で紹介した本などを読めばよいかと。実際、読書をしただけで腰痛が治っちゃう人も少なくないとか。
- あえて腰の筋肉に負荷をかけてみる:軽く腰を反らせた姿勢を取りながら、1日に15分のウォーキングを行います。あえて腰に負荷をかけることで、少しずつ腰痛への恐怖感を取り去っていくわけですね。
- 痛みの変化を毎日記録する:1日に感じた腰痛の平均値を、10段階で評価して毎日記録します。同時に、その日にあった仕事やイベントなども残していくと、やがて「あー、自分は会議のストレスで腰痛が怒りやすいんだな…」とわかるようになっていくわけですね。とにかく腰痛が起こる心理状態を把握するのが大事。
といったところ。読書療法をする際は、以下の書籍もオススメであります。