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夜も眠れぬ腰痛に悩んだわたしが、3年の調査でたどりついた唯一の解決策

 

腰痛をこころで治す 心療整形外科のすすめ」って本を読みまして。ちょっと私の腰痛遍歴を思い出しました。



 

 

 

心理療法で腰を治したミステリ作家


わたし、10数年来の腰痛持ちでしてね。症状がひどかった3年前などは、痛みで夜もまともに眠れなかったぐらい。カイロプラクティック、鍼、マッサージなどを試したものの、どれも効果はゼロでありました。


そんな状況下で読んだのが、以下の本

ミステリ作家の夏樹静子が、激しい腰痛を治した経験をつづったノンフィクションでして、これが当時の私には衝撃的でした。


どんな治療法を試しても効果の出なかった夏樹静子が最後にたどり着いたのが心療内科。そこで「激しい腰痛は作家稼業のストレスが原因だ!」と予想だにせぬ診断をされたものの「これほど激しい痛みが心が原因のはずがない!」と、最初はまったく信じないんですね。


ところが、主治医の指示にしたがって「絶食治療」という超ハードな心理療法を試みたところ、アラ不思議、あれだけ辛かった腰痛が消え去ったではありませんか。

腰痛は心の病だった


えー、マジすか?じゃあ、もしかして私のこの腰痛も、心が原因である可能性もあるってこと?


と、思って次にめぐりあったのが、以下の本。

 

普通の会社員である戸澤さんが、持ち前の工学的な発想を活かして「しつこい腰痛は脳の仕組みよるんじゃないか?」という仮説を構築。そのとおりに治療したら、立つことすらできなかった腰痛が実際に治ってしまった!って本です。


戸澤さんの仮説は、腰の軽い痛みに意識が集中するうちに、脳が「これは一大事!」と勘違いを起こして必要以上に痛みのシグナルを送ってしまうというもの。これが、なかなかの説得力だったんですよね。


ただし、あくまで仮説。もっとエビデンスは無いものか?と調べて出会ったのが、『腰痛診療についてのガイドライン』(2004年、ヨーロッパ版)なる資料。

Backpain Europe
ヨーロッパの腰痛ガイドライン




腰痛への具体的な対策をまとめた研究で、ちゃんとした証拠にもとづいて客観的なデータを示してくれる超権威あるガイドラインであります。


なんと、このガイドラインに「腰痛の85%には明確な原因がなく、大半は心理的なもの」と書いてあるやないですか!

ガイドラインが勧める最高の腰痛治療とは?

ちょっと待て!じゃあ今まで言われてきた「背骨がズレてるとか椎間板ヘルニアはどうなの?」って話ですが、ガイドラインによれば「物理的な原因で起きる腰痛は全体の5%しかない」とのこと。ちゃんと統計を取ったらそうなるんだからしかたない。


つまり、実に9割以上の腰痛は「脳の妄想」にすぎなかったのだ!ドーン!


しかも、世に出回る腰痛治療もメッタ斬りにしていて、鍼やカイロプラクティック、マッサージ、ヘルニアの手術、ランバーサポートなどなど、どれも「効果はナシ!」と断言していて清々しさすら覚えます。


そして、さらに驚きだったのが、このガイドラインが勧める腰痛の治し方。

「気にしないで放っておけ!」
 

えええー!超衝撃。あまりにも豪快な結論ですが、ガイドラインによれば、

重大な脊椎病変でないのであれば、腰痛は自然に回復する。回復が遅れるのは、回復を妨げてしまう別の要因があるからだ。


ハッキリ言い放っております。ここで言う「別の要因」が、つまり「脳の妄想」ということですね。


実際、上で紹介した戸澤さんも、まず「痛みが起きても気にしない」ことを第一に心がけたそうで、それでも脳が納得しないときにペインクリニックでトリガー注射をして、脳を少しずつ説得していったとか。


以下の本にも、腰痛が心の問題だと理解した時点で腰痛が治ってしまうケースも多いことが書いてあって、これまたビックリ。

 

ここに至っては、もはや「腰痛は妄想」だと信じざるを得ません。以降、私もひたすら「腰痛を気にしない」ことにしたところ、めでたく無事に眠れるようになりました。わたしの脳が単純すぎるのかもしれませんが。


長年の腰痛に悩んでいる方には、まず「腰痛は脳の勘違いだった」をオススメ。専門家が書いたものよりも、具体的な治療法が載っていてためになります。

オマケ:これまで読んできた腰痛本
最後に、私が「ヨーロッパ腰痛ガイドライン」に出会うまでに読んだ腰痛本をならべておきます。以下の本はエビデンスがありませんので、腰痛持ちの皆さまにおかれましては、くれぐれもご注意なされますよう。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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