1日20分で激しく「頭が良くなる」運動法とは?
1日20分✕6週間のエクササイズ
「1日20分の運動で頭が激しく良くなったよ!」ってデータ(1)が非常に使える感じでした。
これはマクマスター大学の実験で95人の男女が対象。まずは全体を以下の3グループにわけまして、
- 何もしない(コントロール群)
- エクササイズ+認知トレーニング
- エクササイズのみ
って感じで6週間の様子を見たらしい。エクササイズは1日20分で週5回ずつ行ったとのこと。
エクササイズグループは海馬の性能が上がっていた
そのうえで全員に認知テストを行ったところ、
- エクササイズのみ、またはエクササイズ+認知トレーニングをしたグループは、どちらも同じぐらい記憶の干渉が激しく改善していた!
って結果だったんですな。
「記憶の干渉」ってのは、新しいことを覚えようとする際に、古い記憶がジャマをすることです。たとえば、新しく「static」って単語を暗記しようとしたら、すでに覚えた「statistic」って単語のせいで、なかなか頭に入ってこなかったりとか、そういった現象のことです。勉強で「なんかここだけ覚えられないんだよなー」みたいなときは、記憶の干渉が起こってるケースが多め。
ところが、エクササイズをしたグループは、新しい情報と古い知識がスムーズにつながって、以前よりも簡単に物事を覚えられるようになってたんだそうな。どうやらエクササイズで海馬が鍛えられたのが原因っぽいんですな。
さらに、この研究では、エクササイズをした参加者の脳だけ「BDNF」と「IGF-1」が増加してたこともわかったんだとか。IGF-1は成長ホルモンの一種で、BDNFは当ブログでおなじみ「頭を良くする物質」ですね。ざっくり言えば、運動で脳に良い成分がドバドバ出るんだ、と。
20分エクササイズの具体的なやり方は?
では、最後にこの実験で採用されたエクササイズの内容を紹介しておきます。ここで使われたのは、いわゆる「インターバルトレーニング」ってやつで、具体的にはこんな感じ。
- 1分間、最大心拍数の90%で体を動かす
- 1分間、軽いウォーキングでリカバリー
- 以上のサイクルを10回くり返す
運動の種類はなんでもよくて、サイクリングでもランニングでもスイミングでもOK。HIITよりはやや負荷が低いものの、 最大心拍数の90%まで追い込むのは結構大変だったりします。
といっても、「HIITぐらい自分を追い込めない!」という方は、適当な心拍計で自分の心拍数を計りつつインターバルトレーニングにチャレンジしてみるのもいいんじゃないかと。私もAppleWatchで試してみようかな…。