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正味なところ加齢臭ってどこまで臭いの?問題

 

歳をとったら体臭が気になって……」みたいな悩みはよく聞く話。私ももう43歳なんで、自分でも気づかぬ体臭で人様に迷惑をかけていないかとビクビクしながら過ごしております。いわゆる加齢臭ですな。

 

 

で、新しいデータ(R)は、「正味なところ加齢臭ってどこまで臭いの?」という問題を調べてくれていて、切実な思いで読んだりしました(笑)

 

 

これはモネル化学感覚研究所の研究で、3つの年齢層の人たちから体臭を集めております。

 

  1. 若者の体臭(20-30歳)
  2. 中年の体臭(45-55歳)
  3. 高齢者の体臭 (75-95歳)

 

どのように体臭を集めたのかと言いますと、

 

  1. それぞれの年齢層の人たちを12〜16人ずつ集め、みんなに新しいTシャツをわたす
  2. 夜は必ずTシャツを着て寝流ように指示し、5日連続で過ごしてもらう
  3. 体臭が染み込んだシャツをカットしてガラス瓶に保存

 

みたいな流れになってます。体臭のリサーチとしては定番のやり方っすね。

 

 

集めたTシャツは41人の第三者にわたされまして、全員にそれぞれの臭いを採点するように指示。どのシャツがもっとも不快かをチェックしたうえで、さらに「このシャツを着た人は何歳だと思います?」と尋ねたんだそうな。

 

 

そこで、どんな傾向が確認されたのかと言いますと、

 

  • ほとんどの人は、シャツの臭いだけで着た人間の年齢を言い当てることができた!

 

  • 特に高齢者の臭いほど見分けやすい傾向があった

 

  • ただし、一方では高齢者の臭いほど「若者よりも不快ではない」と採点される傾向があった

 

だったそうです。つまり、加齢臭は他の年齢よりもバレやすいんだけど、若者の体臭よりは意外にも受け入れやすいものなのだ、と。ちょっと驚きっすな。

 

 

研究チームいわく、

 

高齢者の臭いは区別しやすいものの、若者にくらべればニュートラルに受け取られるようだ。一般的には「加齢臭は不快だ」と考えられていることを思えば、この結果には驚かされる。

 

とのことで、ノネナールやジアセチルによる臭気ってのは、そこまで心配しなくてもいいのかも?って感じでしょうか。

 

 

もっとも、だからと言って「加齢臭は無罪!」って話ではなく、歳をとると複数の問題が出てくることは肝に命じておきたいところです。さらに研究チームいわく、

 

中年や高齢者の不快な体臭は、肌や呼吸といった別のところから発している可能性が高い。

 

とも言っておりまして、決して「中年の臭いは問題なし!」ってことじゃないのでご注意ください。

 

 

ちなみに、加齢臭のほかに歳をとって体臭がヒドくなる原因としては、

 

  • 高齢者ほど薬の量が増えるため、鎮痛薬のせいで発汗量が多くなったり、抗うつ薬などで体臭が変化する
  • 歳をとったせいで風呂に入るのがめんどうになる
  • 歳をとって嗅覚が衰えたため、自分の体臭に気づきにくくなる
  • 中年になると唾液の量が減るため、口腔内のバクテリアが増える
  • 歯周病などで口臭がキツくなる
  • 歳をとって体内の水分量が減った分だけ臭いがきつくなる

 

みたいな要素が山ほどありますんで、やはり歳をとるほどいろんな臭い対策をせにゃならんのは間違いないところです。ご注意くださいー(自戒を込めつつ)。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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