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今週末の小ネタ:砂糖入りのジュースはたった1日1杯でも体に良くない?、男女シリアルキラーの差、たいていの人は意外と聖人説

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ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。   

  

 

 

砂糖入りのジュースはたった1日1杯でも体に良くない説

砂糖入りのジュースはたった1日1杯でも体に良くないのでは?」という恐ろしげなデータ(R)が出ておりました。

 

 

これはハーバード大学などの研究で、1980年から2014年までの間にヘルスケア業界で働いていた女性80,647人と男性37,717人から集めた2つのデータセットを分析。みんなのライフスタイルと健康状態の相関を調べたんだそうな。

 

 

それで何がわかったかと言いますと、

 

  • 砂糖入りのジュースを月に1杯だけ飲む人と比べて、月に4回飲んだ人は早死のリスクが1%増加した
  • 糖分の多いドリンクを週に2〜6杯飲む人は、早死のリスクが6%上がり、1日に1〜2杯飲む人は14%、1日に2杯以上飲む人は21%増えた
  • 心血管疾患による早期死亡のリスクとの相関はさらに大きく、糖分の多い飲み物を毎日2杯以上飲んだ人は、心臓血管疾患による早期死亡のリスクが31%高かった

 

とのこと。加糖飲料が体に良くないって話は昔からありますけど、ここではかなり厳しい傾向が出てますね。

 

 

研究チームいわく、

 

今回の結果は、総合的な健康と寿命を改善するためには、砂糖を入れたドリンクの摂取を制限し、それらを他の飲料(もっとも良いのは水だ)置き換えることを支持する

 

ってことでして、もちろんこの研究だけでは「加糖飲料は1杯でも体に悪い!」みたいな話にはならんですが、意識して遠ざけといて損はないのではないかと。

 

 

 

男女のシリアルキラーにはどんな違いがあるのか?問題

男のシリアルキラー(連続殺人鬼)と女のシリアルキラーは犯罪の傾向が違う!」ってな興味深いデータ(R)が出ておりました。

 

 

この研究は、AP通信、ロイター、全国紙や地方紙などのニュースソースからアメリカの連続殺人に関するデータを収集したもので、最終的に55人の女性と55人の男性のシリアルキラーに関するデータを分析。男女で犯罪のアプローチがどう異なっていたかを調べたんだそうな。

 

 

それでわかったのが、以下のような傾向であります。

 

  • 男性のシリアルキラーは、女性に比べて見知らぬ人を殺害する可能性が6倍近く高い
  • 逆に女性のシリアルキラーが知人を殺す可能性は男性のほぼ2倍だった
  • 男性シリアルキラーの約65.4%が被害者にストーカー行為を行ったが、女性における割合はわずか3.6%だった

 

というわけで、すごーくざっくり言いますと、男は犯罪において「狩り」のような感覚が強く、女は「採集」の感覚が強いって傾向がありそうな感じ。

 

 

研究チームいわく、

 

進化的に見ると、男性は動物を獲物として狩り、女性は穀物や植物などの身近な資源を食料として集めた。進化心理学の見地から、これらの原始的な役割が現代にも残されている可能性は高い。

 

とのこと。原始の世界における役割分担の傾向が、現代の犯罪にも受け継がれてるのでは?って考え方ですね。まぁこの考え方が正しいかどうかを検証するのはかなりムズいですけど、なんかありそうな話ですなぁ。

 

 

 

たいていの人、意外と聖人説

落ちてる財布を見つけたら、みんなどうするんだろう?」という疑問について調べたおしろいデータ(R)が出ておりました。

 

 

これはアムステルダム大学などの研究で、どんな実験だったかと言いますと、

 

  1. さまざまな金額が入った財布17,303個を用意し、世界の355の都市に放置する
  2. 財布がちゃんと戻ってくるかどうかをチェックする

 

みたいになってます。テレビの企画でありそうな実験すね。

 

 

財布は3パターンが用意されていて

 

  1. お金が入っていない
  2. 13.45ドルが入ってる
  3. 94.15ドルが入ってる

 

みたいに金額が大きく変わってます。その上で、それぞれの財布に架空の人物の名前とメアドが印刷されたカードを入れておいたそうな。

 

 

で、結果はこんな感じでした。

 

  • 40カ国中38カ国において、多くの人は「お金が入ってない財布」よりも「お金がたくさん入ってる財布」を届け出る傾向があった
  • お金の少ない財布を拾った人の返却率は51%だっのに対し、お金が入ってない財布を拾った人の返却率は40%。財布にたくさんのお金が入っていた時は返却率が72%になった

 

ってことで、直感だと大金が入った財布ほどネコババされそうなもんですが、実際にはまったく真逆の傾向を示したんだそうな。もちろん「大金の財布を返せばお礼をしてくれるかも……」って下心が働いが可能性もありましょうが、全体的なコストとメリットとのバランスを考えれれば、やっぱ「意外とみんな道徳的な行動をするものなのだ」と考えた方がいいような気がいたします。

 

 

研究チームいわく、

 

「自分を泥棒だと思いたくない」という心理的な力は、金銭的な欲望よりも強いことがある。

 

とのことで、世の人は昔ながらの経済学者が考えるよりも聖人なんだろうなーって感じですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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