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正味なところ「プチ断食」ってどれぐらい病気の予防にいいの?を調べたレビュー論文のお話

 

このブログでは「プチ断食」ってのを長らく推奨していて、私も2013年からリーンゲインズっていう手法を続けてたりします。もう6年ぐらい実践してるんだなぁ‥‥。

 

 

まぁそうは言っても、プチ断食は研究の歴史が浅い手法なんで、個人的には「これぞ最強のライフスタイル!」だとか「みんなもやろうぜ!」とか煽るつもりはございません。なんせ特定の人には副作用があるかもだし、どこまでの効果量があるのかもハッキリしてないので、いまんとこは私のような人体実験フェチの方にのみお勧めしてる段階です(笑)

 

 

といったところで新たに出たでレビュー(R)は、「いまの時点でプチ断食の効果についてどこまで言えるの?」という疑問について良い見取り図を示してくれてていい感じでした。

 

これはジョンズホプキンス大学の研究で、プチ断食(Intermittent fasting)に関する先行研究から70件以上をレビューした内容になっております。ここで取り扱われてるプチ断食のタイプは、

 

 

のようになっていて、かなり定番のラインナップではないかと。

 

 

で、このレビューがどんな結論に達したかと言いますと、ざっくりこんな感じです。

 

  • あらゆるタイプのプチ断食に、加齢を遅らせる可能性がある
  • すべてのタイプのプチ断食は、癌、心疾患、糖尿病などの歳をとるごとにリスクが増える病気の予防に役立つ
  • ついでに体重や脂肪の減少にも役立つ

 

ってことで、まだどれぐらいの効果量があるかはわからんものの、とりあえず様々なメリットは得られそうだなー、みたいな印象ですね。これはすばらしいっすね。

 

 

また、個人的にこのレビューで惹かれたのは、

 

  • プチ断食で良い変化が起きるのは、体重の減少だけが理由ではない

 

って傾向も見られてるとこですね。ご存じのとおり、肥満ってのは癌や心疾患のリスクを上げる最大の要因なんで、体重が減るだけでもかなり病気の発症リスクは下がるんですよね。

 

 

が、このレビューでは「肥満の改善がなくともプチ断食にはメリットがある」と言ってるわけで、つまりすでに健康体重の人もプチ断食のメリットは得られるんじゃないか?ってことですね。いい話ですなぁ。

 

 

では、なんでプチ断食で健康になれるのかと言うと、研究チームは「代謝スイッチング」と呼ばれる現象を重要視しておられます。どういうことかと言いますと、

 

  1. 断食中はブドウ糖が使えなくなるので、体が使えるエネルギーが枯渇する
  2. 足りないエネルギーを補うために、肝臓が脂肪酸をケトンに分解して燃料として使い出す

 

みたいな流れがありまして、要するに、身体がグルコースとケトンという2つのエネルギー源を切り替えるプロセスを「代謝スイッチング」と呼んでい、このケトンが炎症の軽減や代謝の改善をうながすんじゃなかろうかって話です。

 

 

研究チームいわく、

 

健康的な食事と運動についての標準的なアドバイスも重要だが、プチ断食についての情報も医学部のカリキュラムに追加することを検討すべきかもしれない。

 

とのことでして、個人的には「今後もプチ断食を続けていくぞ!」というモチベーションがあらためてアップした次第です。

 

 

ただし、当然ながら誰にも適用できる万能な方法など存在しないもんでして、一部の人には以下のような副作用も報告されてたりします。

 

  • 怒りっぽくなる
  • ふらついたりめまいがする
  • ストレスが増加する
  • 摂食障害な人は状態が悪化するかも

 

これは個人的にもうなづける話で、私もプチ断食を始めたばかりの頃は、やっぱイライラに悩んだりしましたからねぇ。

 

 

幸いにも自分の場合は数週間で慣れちゃって、あとはスッキリした感覚に切り替わりましたが、なかにはいつまで経っても体が慣れていかない人もある程度はいるだろうと思っております。その場合は無理をしないで普通の食事パターンにもどることも考えていただければと。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。