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女性は「プチ断食」でトラブルが出てくるケースもあるので注意しましょうね、という話

 

  

当ブログでは、定期的なプチ断食を推奨しております。ダイエットや老化の防止に効くほか、筋肉の量が増えたり頭がよくなるかも?とも言われてたり。わたしもここ数年ほど実践して、かなりの手応えを感じています。

 

 

ホルモンバランスの差がプチ断食のトラブルを引き起こす?

ところが、一部の女性からは「逆に食欲が増えた…」や「冷え性が悪化した…」との声も聞くんですね。あくまでわたしの感覚ですが、およそ8割の女性はプチ断食で良い結果が得られるのに対し、残りの2割には何らかのトラブルが出てしまうケースもあるみたい。

 

 

こういった現象が起きるのは、おそらくは男性と女性のホルモンバランスが違うからでしょう。

 

 

たとえば、プチ断食にはキスペプチンというホルモンの分泌を減らす作用があるんですが、これは女性の生理に関わってるんですね。そのためプチ断食で生理のサイクルが狂ってしまい、結果として代謝が乱れてしまうのではないか、と(女性の生理と脂肪燃焼には大きな関係がある)。

 

 

また、キスペプチンにはレプチングレリンなどの食欲に関するホルモンに働きかける作用も持っております。ところが、女性は男性よりもキスペプチンの量が多く、脳がキスペプチンの増減に敏感なんですね。そのため、プチ断食によって食欲が暴走しちゃうケースも出てくるのではないか、と。

 



 

 

断食を続けたメスのマウスはホルモンバランスが悪化

残念ながら女性とプチ断食の問題を直に調べた実験はないので、以上の話はあくまで推測であります。ただし、一部のマウス実験が参考になりそうなんで、そのへんを見てみましょう。

 

 

有名なのは2013年の実験(1)で、20匹のマウスを半分にわけて、

 

 

 という2つのグループを作ったんですね。実験の期間は12週間で、これは人間でいうと10年に相当します。

 

 

その結果、日替わり断食を行ったマウスは19%ほど余分に体脂肪が減ったものの、メスのマウスには子宮の縮小が見られ、オスにくらべてエストラジオールってホルモンが4倍に増えていたとか。エストラジオールは食欲系のホルモンに作用する働きがありまして、実際、レプチン(食欲を抑えるホルモン)の量はメスのほうがオスの6倍も少なかったそうな。

 

 

つまり、メスのマウスたちは、生理と食欲に関するホルモンのバランスが乱れまくってたわけですね。もちろん、この結果をそのままヒトに当てはめるのは無理ですが、女性にも似た現象が起きる可能性はあるのではないかと思われます。

 

 

女性がプチ断食を行う際の注意点

以上の話をふまえまして、女性がプチ断食を行う際は以下の点に注意していただければと。

 

  • カロリー制限とは組み合わせない:カロリー制限は体へのストレスが超大きいので、プチ断食中でもちゃんと維持カロリー分の食事をとるのが大事。個人的な印象では、プチ断食でトラブルた起きた女性の多くは、同時にカロリー制限も行っているケースが多い感じです。
  • 過度な運動とは組み合わせない:運動もストレスが大きいので、長時間のランニングなどはNG。ウォーキングと短時間の筋トレで十分です。
  • タンパク質の量を増やす:アミノ酸は女性ホルモンの材料になるんで、プチ断食中はいつもよりタンパク質増やすべき。実際、鶏むね肉を食べるようにアドバイスしたら、プチ断食による冷え性が改善したってケースもあります。
  • 睡眠とリラックスに気を配る:ストレスはホルモンバランスを乱す大敵。特に睡眠不足のままプチ断食を行うと、男性でもトラブルが起きやすくなりますんで。
  • 病気や慢性炎症が多いときは避ける:これは当然。病中は体のストレスが多いので、積極的にカロリーをとっていくべきであります。同様に、リーキーガットを起こしている方も、症状が改善するまでは避けたほうがいいでしょう。

 

また、以下のような症状が出た場合は、すぐにプチ断食を止めてくださいませ。

 

  • 生理の間隔が乱れた
  • 冷え性が出てきた
  • 気分の浮き沈みが出てきた
  • 乾燥肌や肌荒れが起きた
  • 夜に眠れなくなった
  • 抜け毛が増えた
  • 消化が悪くなった

 

いずれも、ホルモンの乱れにともなって起きる現象であります。基本的にプチ断食は「体に適度なストレスを与えましょう!」ってテクニックなんで、ストレスが強くなりすぎると逆効果なんですね。これは男性にも言えることですが。

 

 

まとめ

いろいろ書いてきましたが、とにかく女性はホルモンの変化に敏感なんで、そのぶんプチ断食の実践には注意が必要。一部の女性には、生まれつきプチ断食が体に合わないケースもあるようなので、体調の変化を見極めつつ実践していただければと思います。

 

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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