MOBA系のゲームがうまくなると「必要な情報を選び抜く能力」がアップするかも?みたいな話
https://yuchrszk.blogspot.com/2020/04/moba.html
以前に「MOBAでIQが上がる!(かもしれない)」みたいな話がありました。これはリアルタイムで作戦を考えながら敵と戦っていくタイプのゲームで、一般的なゲームよりも脳への負荷が高いんで、その分だけ頭にいいんじゃないかと言われてるんですよ。
まぁこの手の研究はまだまだ絶対量が少ないんでうのみにできないとこなんですが、またもMOBAに有利なデータ(R)が出てたんでざっとまとめておきましょう。自粛中にゲームを楽しんでいる方にはそこそこ良いニュースではないかと。
これは中国電子科学技術大学の実験で、まずは研究チームの目標を紹介しておくと、
リアルタイムで戦略を立てるタイプのゲームは、注意力、感覚運動技能、チームワーク、戦略立案能力を必要とするため認知的な負荷が高いす。近年の研究では、このようなゲームがうまい人たちは、視覚的な注意力が優れていることがわかった。
しかし、このタイプのゲームが視覚的な注意力の時間的要素に与える影響については、まだ十分に研究されていない。
みたいになります。やや難しい表現ですけども、すごーくざっくり言ってしまえば、
- ゲームで遊ぶことで、大量の情報のなかから大事なものを瞬時に選び取る能力は鍛えられるか?
みたいな話です。必要な情報と不要な情報がランダムに表示された際に、どれぐらいスピーディで正確な判断ができるか?ってことですな。
ってことで実験では健康な学生38人を集めて認知機能の変化をチェックしております。参加者のうち半分は「リーグ・オブ・レジェンド」のエキスパートで、残りの半分はゲーム経験が半年未満の初心者だったそうな。
実験の内容をざっと紹介しますと、
- モニタに0.1秒だけ表示されるアルファベットをガンガン見まくる
- 事前に指定されたアルファベットが表示されたらボタンを押す
- 参加者の脳をEEGで計測する
みたいになってまして、ハイスピードで表示される情報から任意のものをすぐに選んでもらったわけっすね。
そこでどんな傾向が確認されたかと言いますと、
- リーグ・オブ・レジェンドがうまい人は、情報の選択タスクもうまい!
だったそうな。この結果が具体的にどういうことかと言いますと、例えば「大量のアルファベットから『S』と『N』を選んでねー」って指示が出た場合には、
- 普通の人は、「S」を認識して0.1秒後に「N」が表示されても正解を認識できない(0.2〜0.5秒の間隔が必要になる)
- しかし、リーグ・オブ・レジェンドがうまい人は、「S」を認識して0.1秒後に「N」が表示されても正解を認識できる
って感じです。普通の人は続けて「正解」が出ちゃうと2つ目の情報を認識できないんだけど、ゲームがうまいと問題が起きないらしい。
研究チームいわく、
今回の結果は、リアルタイムの戦略ゲームを長期的にプレイすることで、時間的な視覚の選択的注意力が上ることを示唆している。熟練したゲーマーは、連続する視覚的なターゲットの間で、限られた認知リソースを分配するのがうまくなっていた。
このようなゲームは、認知トレーニングのための強力なツールになり得る。
とのこと。まー、非常に単純化された実験なんで、現実の世界でどこまで役に立つものなのかはわからんのですが、ゲームで脳機能が上がる可能性は高そうっすね。個人的には、ゲームにハマりすぎるのが怖いので、MOBAには手を出せないのですが…‥。