ミシガン大学流「どんな本でも内容をガッツリと身につけるための13のポイント」後編
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「なんか良い読書法はないですか?」というご質問にお答えして、前回はミシガン大学の先生がまとめてくれた「読書ポイント」の前半を見てみました。今回はその続きで、残りのポイントを見てみましょうー。
- 読書ポイント5. イメージ読み:本を読みながら、以下のようなイメージを浮かべると、さらに読書に身が入りやすくなる。
- 「いま自分は、雑誌に本のレビューを書くために、この本を読んでいるのだ!」と想像する
- 「自分はいま、著者と会話、または正式な議論をしているのだ!」と想像する
- 「この本に関する試験が将来あるのだ!」と想像し、その試験でどのような質問をされ、どのように答えるかを妄想してみる
- 読書ポイント6. 著者を掘り下げる:著者を知らないと、その本の良し悪しを判断し、その本の持つ意味を理解する際の難易度は高め。どんな著者でも、それまでの教育、仕事、幼少期の体験などによって形成されてますし、誰もが偏見や独自の欲望を持ってますんで、そこはチェックしておきたいところ。
それと同時に、著者がなんらの大学、企業、政府などの組織に属している場合は、それらの組織も掘り下げるのが吉。それぞれの組織は、独自の文化や社会規範を持ってますんで、そこも調べておくのが吉。著者と所属組織についての知識があるほど、読んだものを評価しやすくなる。
- 読書ポイント7. 著者は誰に何を言おうとしているか?を意識する:本はほとんどの場合、特定の誰かに向けて書かれているため、その本が誰に答えているのかを把握することで、理解を深めることができる。なかでも著者が誰かの意見に反対していることを伝えている箇所には注意が必要でで、「従来の常識ではxとされているが、私はyだと考える」「あの人はxと言うが、私はyを支持する」といった文章を見たら、「x と y はどのように妥当なのか?」「著者のオリジナルの意見は何か?」などを考えていくと良い。
- 読書ポイント8. 時間とタイミングにこだわる:たいていの人は1時間ほどで注意力が下がるため、3時間ぶっつ続けで読書をするなら、1時間の読書を3回したほうがよい。ただし、読書時間の最初と最後のあたりは気が散ることが多いので、1時間の読書を効果的に行うには、少なくとも1時間15分の時間を確保する必要がある。
読書時間を決めたら、次に3回の読書にそれぞれにどれだけの時間を割くか、現実的な計画を立てる。250ページの本なら、概観に15分、精読に4時間、メモに20~30分という具合になる。
- 読書ポイント9. 情報量の多い部分をチェック:ノンフィクションは、たいてい重要な情報がまとめられているポイントが決まっている。そのため、初読の際は以下のポイントに注目しておくと良い。
- 表紙、目次、裏表紙
- 索引(その本の重要語を知るために使える)
- 書誌(その本の背景を知るために使える)
- 前書き、序文、抄録、結論
- 写真、グラフ、表、図:画像はテキストよりも多くの情報を含んでいます
- 各章の紹介と結論
- セクションの見出し
- 特殊な書式:太字、斜体、番号付き項目、リスト
- 読書ポイント10. マークアップは必須:初回の読書では、これと思ったところに必ずマークをしておく必要がある。これはアクティブ・リーディングの基本で、これがないと後でその本を読み返すときの手間が格段に増えてしまうからである。
ただし、マークを付け過ぎると、後で重要でない情報を読み直さなければならなくなるため、原則としては、1ページあたり平均2~3個の短いマークを付けるにとどめたい。文章全体にアンダーラインを引くのではなく、重要だと思った単語や短いフレーズにアンダーラインを引くぐらいでよい。
- 読書ポイント11. 抜き書きはやめる:読書中にメモを取る場合、自分の言葉でメモを取る代わりに、元のテキストをカット&ペーストしたくなることがある。しかし、このような行為は、「自分の言葉で言い換えることによって記憶する」と「メモは非常に短いフォームに凝縮しなければ記憶できない」という2つのポイントを破っているため、あまり意味がない。
- 読書ポイント12. 無意識を利用する:自分が意識していないところでも脳は情報処理を続け、大量の思考を行なっている。読書の内容を理解ときもこれは同じで、読んだ内容をちゃんと処理するためには、一定の空白期間を上げないと内容の理解が進まなくなる。そのため、1冊の本を読むには、1時間から2時間程度の短い時間を数回に分けて読むとよい。その間に、読んだ内容が無意識のうちに処理される。
その後、読書を再開したら、「前回の読書で覚えていることは何か?」「これまでの感想はどのようなものか?」「これから学ぶべきことは何か?」を考えることから始めると良い
- 読書ポイント13. 複数の感覚モードを使う:武道や野球、料理などと同じように、読書もいろいろな形で情報に触れ直してみたほうが効果はある。たとえば、学んだ内容をクイズにする、著者と議論するところを想像する、著者の思考を文章にまとめてみる、友人に説明してみる、などである。
「読む」「書く」「話す」「イメージする」は、それぞれ脳の異なる部位に働きかけるため、複数の思考モードを使用することになり、その分だけ情報がうまく記憶に定着することになる。
ということで、ポール・N・エドワーズ先生による読書のポイントを見てみました。私の場合、3回読みまで進む本は全体の1割ぐらいで、ほとんどは1回目にざっと読んでマークだけしておき、あとからパンチラインをメモるぐらいで終えてますね。近ごろは、3回読みをするのは仕事に関する本ばっかなので、趣味の本でもやりたいとこですが……。