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愛着スタイルは何歳でも変わる? 3,600人を調べてわかった、安定した人間関係を作る実践法

 

「子どものころに親との関係がうまくいかなかった人は、大人になっても人間関係で苦労する」みたいな話をよく聞くじゃないですか。幼少期に養育者から安定したサポートを受けられなかった人は、大人になっても「いつか見捨てられるのでは?」「本当にこの人を信用していいのか?」と不安になりやすいと言われてまして、この考え方には一定のデータによる支持もあったりします。

 

で、この話のベースにあるのが「愛着スタイル」って考え方です。これは簡単に言えば、他人と安心して親しくなれるかどうかを示す心理的な傾向のことでして、以下の4タイプに分けられます。

 

  • 安定型:人を信頼し、頼ったり頼られたりすることに抵抗が少ない
  • 不安型:相手に見捨てられないかが気になりやすい
  • 回避型:他人に頼らず、親密な関係から距離を取る
  • 不安・回避型:親密になりたい一方で、傷つくのが怖い

 

こんな感じで、愛着スタイルは「見捨てられることへの不安」と「親密な関係を避ける傾向」の組み合わせで決まったりします。不安も回避も低ければ安定型、不安だけが高ければ不安型、回避だけが高ければ回避型、両方とも高ければ不安・回避型になるわけですな。

 

でもって、こうなると気になるのは、「愛着スタイルは、子どものころに決まったまま一生変わらないのか?」って問題でしょう。もし愛着スタイルが幼少期の経験だけで決まり、その後は変化しないのであれば、若いころに人間関係で不安を抱えていた人は、その問題を一生引きずることになりかねないですからね。

 

この点について、近ごろコペンハーゲン大学病院などの研究チームが、およそ3,600人を対象に調査を行ってますんで、そこをチェックしておきましょう(R)。研究チームは、みんなの愛着スタイルと年齢、メンタルヘルスとの関係をチェックし、年齢が上がるほど安定型の人は増えるのか?ってポイントを調べたんですよ。

 

その結果、まずどんな傾向が認められたかと言いますと、

 

  • 全体の65%が安定型に分類された。つまり、少なくとも今回のデータでは、成人の3人に2人ほどは、他人との親密な関係を比較的安心して築けていたことになる。
  • 若い世代よりも中高年のほうが安定型の割合が高く、とりわけ50代では、安定型に当てはまる確率が高い傾向が確認された。
  • 反対に、若い世代では「相手に見捨てられるのではないか」と心配する傾向や、親密になることを恐れる傾向がやや強めだった。

 

って感じだったそうな。この結果だけ見てみると、若いころに人間関係で不安を抱えやすかったとしても、それが一生続くとは限らないのかもしれないですな。この結果は、いま自分の愛着スタイルに悩んでいる方には朗報っすね。

 

なんでこういう現象が起きるのかと言いますと、私たちは、年齢を重ねるなかで、

 

  • 信頼できるパートナーと出会う
  • 安定した友人関係を作る
  • 人間関係の失敗から学ぶ
  • 自分に合わない相手との距離の取り方を覚える

 

といった経験が積み重なるのが普通なんで、そのおかげで少しずつ安心して他人と関われるようになるわけっすね。

 

もちろん、ここには因果関係の問題がありまして、安定した愛着がメンタルヘルスを改善するのか、精神的に健康だから人を信頼しやすくなるのか、あるいは満足度の高い人間関係がその両方を支えているのかは、この研究だけじゃわからなかったりはします。なので、「人は年齢とともに安定型へ変わる!」と断定することはできないんで、そこは押さえておきたいところっすね。

 

ってことで、今回の研究から実践的なポイントを抜き出すなら、

 

 

愛着スタイルは人生を決める固定的な性格ではなく、その後の人間関係によって変化する余地がある!

 

と考えておくのはめっちゃ大事。実際、幼少期には安定した養育を受けられなかったものの、大人になってから安定型の特徴を身につけた人は結構いまして、こういう人のことは「獲得安定型」と呼ばれます。大人になってから愛着タイプが変わる可能性は普通にあるわけですな。

 

とはいえ、「安定型になろう!」と意識するだけで簡単に変わるもんでもないので、そこはご注意ください。愛着スタイルってのは、長い時間をかけて身についた対人関係のパターンなんで、地道に安定型に近づくトレーニングをしなきゃいけないんですよね。具体的には、以下の方法が参考になるでしょう。

 

  1. 自分の「愛着システム」が動く場面を知る:まずは、自分がどのような場面で不安になったり、他人を遠ざけたりするのかを観察するのが基本。たとえば、「メッセージの返信が遅いと嫌われたと感じる」とか「親しくなると欠点ばかりが目につく」とか「助けが必要でも、ひとりで平気だと振る舞う」みたいなやつですな。これらは、愛着システムが危険を察知したときに起きる反応かもしれないんで、まずはこのパターンを把握するのが大事。



  2. 感情と事実をいったん分ける:愛着不安が強まると、たいていの人は曖昧な出来事を悪い方向に解釈しがち。なので、たとえば返信が半日なくて「嫌われた」と感じたら、以下の3点を書き出してみるとよろしいでしょう。

    ・事実:実際に何が起きたか
    ・解釈:自分は何を意味すると考えたか
    ・別の可能性:ほかにどんな説明があり得るか

    これによって、「嫌われた」って以外の解釈に意識が向かうようになりますんで。



  3. 安心できる人を友人にする:愛着の安定には、信頼できる相手との経験が重要。ここで言う「信頼できる相手」ってのは、いつでも優しくしてくれる人じゃなくて、

    ・言っていることと行動が大きく食い違わない
    ・約束を守る
    ・こちらの「嫌だ」を尊重する
    ・意見が違っても侮辱や脅しを使わない
    ・問題が起きたあとに話し合える

    といった、一貫性のある行動を取る人であります。「この人の反応はある程度予測できる」と感じられる関係を選ぶのがポイントっすね。



  4. 小さく頼り、小さく弱みを見せる:安定型に近づくには、「他人に頼っても大丈夫だった」という経験を増やす必要が必須。とはいえ、いきなり深刻な悩みを打ち明ける必要はなくて、

    簡単な作業を手伝ってもらう
    小さな相談をする
    軽い不安や失敗を話してみる
    助けてもらったら、素直に感謝する

    といった低リスクの行動から始めれば十分であります。そのうえで、「頼っても拒絶されなかった」「弱みを見せても関係は壊れなかった」という経験を少しずつ蓄積していけばOK。

 

ってことで、以上をまとめると、安定型に近づくために重要なのは、

 

安心できる相手を慎重に選び、小さく頼り、必要なことを言葉にし、問題が起きたら関係を修復する。

 

って感じだとお考えください。このような経験を積み重ねることで、「他人は必ず自分を見捨てる!」「人に頼ると傷つく!」といった予測が、少しずつ修正されていきますんで。どうぞよしなに。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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