イライラした時に人間の体にはなにが起きているか?を可視化した「身体感覚マップ」がおもしろい
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感情には必ずなんらかの肉体の感覚がともなうものでございます。怒ったら頭がカッカするし、不安になれば胸がモヤモヤしたりとか、そういう感じですな。
ただし、これはあくまで感覚的なものでして、実際に身体のどこが感情に対して反応してるか?ってのは、まだよくわからないところだったりします。果たして、ヒトの感情と身体はどのようにつながってるのか、と。
といったところで、「感情と身体の関係をマッピングしたよ!」っておもしろい論文(1)が出ておりました。
これはトゥルク大学の研究で、1026人の男女に100種類の感情を見せたうえで、それぞれが身体のどこで感じられるかを質問。ついでに、「その感情はどれぐらいの強度があるか?」や「その感情をどれぐらいコントロールできるか?」をチェックしていったらしい。実際に研究で使われたテストはここで受けられますんで、興味がある方はどーぞ。
で、すべてのデータをまとめて「身体感覚マップ」を作成したら、こんな感じになりました。いずれも黒い部分は身体の反応がないエリアで、赤色は中間ぐらいの反応。白に近づくほど強い反応が出てるって意味になります。
って、これじゃわかりにくいので代表的なところを挙げてみます。
個人的におもしろかったのは「自己制御」でして、どうやら目の前の欲望に耐えてるときってのは、両手が激しく反応してるらしいんですな。
なにかを耐えるときに手を握りしめる人は多いですが、そこらへんと考えがあるんでしょうか。
でもって、その他の感情については研究チームが日本語版の動画を作ってくれてますんで、以下からご確認ください。
で、個人的にこの研究が「いいなー」と思うのは、認知行動療法のおともに使えそうだからです。というのも、「超ストレス解消法」にもちらっと書きましたが、イライラや不安に立ち向かいたいときってのは、「自分の身体にどんな変化が起きてるか?」を探ってみるのが有効なんですよ。
たとえば、仕事でミスをしたとしたら、
- ミスのせいでいやーな気持ちになった!
- すかさず自分の体をサーチ
- 「胸元に圧迫感があって、首の後ろが重い感じで、頭が少し痛い……」のように体の変化を探る
みたいな手順をふんでいくわけです。もちろん、これですぐに気分がスッキリするわけじゃないんですけど、ある程度は自分のストレスを客観的に見られるようになるんで、しばらくやってると気持ちが落ち着いていきやすいんですな。
その際に、このボディマップを知っておくと、「意外と胸元より頭部のほうに嫌な感じがあるから、不安というよりはストレス感のほうが強いのかな……」といった指標になるんじゃいかなー、と。
そこまで行かずとも、イラッと来たときにこのボディマップを見ると、「いま自分の体にこんな変化が起きているんだなぁ」と感じられて、ちょっとしたストレス対策になりそうですしね。