eスポーツの凄い人たちが、激しいプレッシャーを克服するために使ってる3つの戦略とは?
「eスポーツの凄い人たちはメンタル・タフネスを保つために何をしてるのか?」ってのを調べた研究(R)がおもしろかったんでメモ。
まずは研究チームの問題意識を紹介しとくと、こんな感じです。
スポーツの成功にはメンタル・タフネスが欠かせないのは当然だが、これはeスポーツの成功にも重要だと思われる。eスポーツの一流プレイヤーになるためには、オリンピックに行く準備をするのと同じレベルのストレスに対処しなければならない。
こないだプロゲーマーのときどさんと対談した時も「これはメンタルが強靭じゃないと無理だなぁ‥。自分にゃできないなぁ…」とか感心したもんですが、そのレベルはオリンピック選手並みではないのか、と。確かにそんな感じはしますね。
ってことでチームは、全体の上位40%にランクするeスポーツプレイヤー316人の協力を得まして、
- 「試合のストレスに立ち向かうためにどんな戦略を使ってますか?」を尋ねる
- みんなの答えを、プロスポーツ選手が使ってる戦略と比べる
って調査を行なってます。eスポーツ選手が使う心理テクは、果たして一般的なアスリートと違うのか?ってところを調べたわけですね。ちなみに、研究の参加者は、Siege、Defense of the Ancients 2、League of Legendsなどの選手だったそうな。
で、全体的にどんな傾向が浮かび上がったかと言いますと、
- eスポーツ選手とプロアスリートが使ってる心理テクはかなり似てる!
だったそうです。意識的なのか無意識のうちなのかはわかりませんが、やはりeスポーツ選手も同じように試合のプレッシャーに対処してたんだそうな。
具体的に、プロ選手たちがどんな戦略を使ってたのかと言いますと、大きく3つのパターンに分けられます。
- 問題中心型コーピング:イライラする騒音を処理したり、うるさい人を黙らせたりと、ストレスを起こす原因を積極的に対処していくタイプの処理法。
- 情動中心型コーピング:マインドフルネスや呼吸法などのテクニックを使用して、ストレス反応を落ち着けるタイプの処理法。
- 回避型コーピング:試合の前にマンガを読んだりして、ストレスの源から一時的に心を遮断するタイプの処理法。
このうちどれがベストってことはなくて、優秀なプレイヤーほど3つの戦略をミックスさせて、あらゆるプレッシャーに対処してたそうな。どれかひとつに偏ってもいけないってことですね。
ただし、全体的に見ると、優秀なゲーマーほど戦略を使う割合には偏りがありまして、
- エリートゲーマーほど情動中心型のコーピングをより多く使う傾向があった
- 回避型のコーピングは割と少ない傾向があった
という感じだったそうなんで、ここらへんの分配は個人的にも参考にしたいところです。特に「回避型のコーピングは少なめにする」ってのは大事なポイントで、最近のデータ(R)でも「ストレスから避けまくってると逆に不安は高まるぞ!」って結果が出てたりしますからね。おそらく回避型の戦略ってのは、試合直前のプレッシャーが最大に高まるような場面ぐらいで使うのがいいんでしょうな。
また、今回のデータだけだと、「どのような情動型コーピングがいいのか?」ってのまではわからないんですが、とりあえずはマインドフルネスと認知行動療法あたりは鍛えておくと良さそうな気がしております。特に認知行動療法の効果はテッパンなんで、意識しておくとよさげっすね。