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幸福になりたきゃ「ちょっとした新鮮さだ!新鮮さを求めるのだ!」という実験の話

 

幸福になりたきゃ多様性だ!多様性を求めるのだ!」ってデータ(R)がとても重要だったのでメモっときます。

 

 

まずはどんな実験だったかまとめとくと、

 

  1. 132人の男女にGPSトラッカーを渡して3カ月の行動を追跡
  2. 適当なタイミングで「いまの感情はポジティブですか?ネガティブですか?」と尋ねる
  3. 参加者の移動データと感情の変化を比べる

 

みたいになってます。当然ながら、日常の生活でいろんなとこに行ってる人ほど多彩な経験をしてるわけで、その分だけポジティブな感情を抱くケースが多いんじゃないか?と研究チームは考えたわけですね。

 

 

実験はニューヨークとマイアミの両都市で行われまして、結果はこんな感じです。

 

  • いっぱい移動する人ほど日々のなかでポジティブな感情を抱くケースが多い
  • ただ移動するだけでなく、新しい場所でいろんな経験をする人ほど幸福度は高くなる

 

ってことで、いろんな場所で新しい体験の総量を増やしてる人は、連動して幸福感も上がる傾向が認められたみたい。とにかく新しい体験をしよう!ってことですね。

 

 

ちなみに、この研究ではついでに参加者の脳をMRIスキャンで調べてまして、こんな結果も出てたりします。

 

  • 海馬と線条体の結びつきが強い人ほど被験者は、多彩な体験に対して幸福感や興奮、力強さ、リラックス感を報告する確率が高かった

 

海馬は人間の記憶に関わり、線条体は快感を導く役割を果たす脳のエリア。要するに、海馬が「これは過去にない新しい体験だ!」と判断し、それに反応して線条体が幸福度アップのホルモンを吐き出すんじゃないか、と。

 

 

研究チームいわく、

 

今回の結果は、日々の生活の中で変化に富む行動をしたときに、より幸せを感じることを示唆している。つまり、新しい場所に行ってさまざまな経験をするのが大事なのだ。これは逆もまた然りで、ポジティブな感情が、新鮮な経験を求めるモチベーションをかき立てている可能性もある。

 

とのこと。「新鮮な体験」の重要性はこれまでも確認されていて、

 

 

みたいな話がありますんで、日常的に新鮮な体験は追い求めておきたいところですねー。

 

 

といっても、いきなり「海外旅行だ!」とか「新しい趣味を始めるぞ!」といった極端なとこから始める必要はなくて、チームはこうも言っておられます。

 

 

どんなに小さな変化でも、良い効果を引き出すポテンシャルを秘めている。自宅で運動をしてもいいし、ちょっと街歩きをしてもいいし、いつものスーパーや薬局へ別のルートを使って向かっても良い。身体的にでも精神的にでもいいので、日々のルーチンに変化を加えるのだ。

 

ってことで、「日々ちょっとだけ新しいことをしてみる」ぐらいの気持ちで取り組むのが良さそうっすね。ちなみに私は近ごろ自動車の教習所に通ってるので、わりと毎日が新鮮です(周囲が20代ばっかで超恥ずかしいんですが…)。

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。