運動のパフォーマンスと疲れは「炭水化物+プロテイン」をセットにしたほうがいいのか?問題を調べたメタ分析
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運動のパフォーマンスアップには糖質が必要!ってのは当たり前の話で、特に持久力系のスポーツで炭水化物を取らないと大変なことになるわけです。
が、ここでまだイマイチ謎だったのが、「タンパク質は必要じゃないの?」ってポイントです。パフォーマンス改善のために糖質が必要なのはいいとして、そこにタンパク質も加えたら、さらに疲労感が改善したり運動性能が上がったりしないのかって問題ですね。
そこで新しく出たメタ分析(R)では、「運動のパフォーマンスアップには炭水化物だけでいいのか?それともタンパク質も必要なのか?」についてまとめてくれてていい感じでした。
これは1950年から2019年のあいだに発表された研究から、当該の問題について調べたデータをピックアップしたもので、最後には43件の論文を分析しております。参加者の数は326人でちょっと少ない感じではありますけど、貴重な内容になってるんじゃないでしょうか。
では、ざっくりと結果を見ていきましょうー。
▼疲労回復の効果(運動前)
- 24件のRCTをまとめたところ、全体的に見ると、炭水化物だけよりもタンパク質も一緒にとったほうが運動で疲れにくくなった(効果量は2.2)
- 運動の最中に炭水化物だけをとった場合よりも、炭水化物+タンパク質のほうが疲れるまでの時間が長くなった(効果量は3.34)
- ただし、摂取カロリーを同じレベルにそろえた場合は、「炭水化物だけ」と「炭水化物+タンパク質」のあいだに有意差はなかった。摂取カロリーを統一しない研究だけをまとめたときは、「炭水化物だけ」よりも「炭水化物+タンパク質」のほうが良い効果があった
▼疲労回復の効果(運動後)
- 運動が終わった後の回復期間については、「炭水化物だけ」と「炭水化物+タンパク質」の間に有意な違いはなかった
- 運動が終わってから8時間以内で比べた場合も、「炭水化物だけ」と「炭水化物+タンパク質」の間に有意な違いはなかった
- 運動が終わってから8時間を超えたタイミングで比べた場合は、「炭水化物だけ」よりも「炭水化物+タンパク質」のほうが良い成績が出ていた
▼パフォーマンスアップの効果
- 「炭水化物だけ」よりも「炭水化物+タンパク質」のほうが運動のパフォーマンスは向上していた(効果量3.39)
ということで、細かい点で気になるとこはあるものの(カロリー摂取雨量の問題とか)、全体的に見れば、
- 炭水化物とタンパク質を一緒にしたほうが疲労回復にもパフォーマンス改善にも良い!
って感じになるんじゃないでしょうか。運動をする際は、いつもの炭水化物にプロテインを加えてもよさそうっすね。また、疲労回復を狙う場合は、運動から8時間を超えたあたりを狙ってくださいませ。
あと、この研究では長期的なタンパク質の影響を調べたものが3件しかないので、そこらへんはご注意ください。個人的には、運動前に糖質だけをとるのも味気ないので、普通にタンパク質もとるようにしてますが。