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イギリス保険サービスが勧める「本当に効くストレス解消の10のガイドライン」

  

その昔、「アメリカ心理学会が認める、“本当に効く”8つのストレス解消法」ってのを紹介したんですけど、NHSを見てたら(R)、「本当に効く10のストレス解消法」ってのがまとまってたんでメモっておきます。

 

 

NHSはイギリスの国民保健サービスのことで、定期的に最新の健康データを解説してくれたり、世に出回る俗説を検証してくれたりしているまことにありがたい組織です。他国の政府機関よりポップさがあって、読んでて楽しいもの特徴っすね。

 

 

で、NHSが選んだストレス解消法は、「ストレスの心理学」で有名なキャリー・クーパー先生の見解をメインにしていて、ざっくりまとめるとこんな感じです。

 

 

 

1. アクティブに行動する

酒やテレビみたいな受け身の休憩じゃなくて、できるだけ積極的に活動したほうがストレスは解消できるよ!って考え方です。アクティブな行動の例としては、

 

 

などがあります。とにかくアクティブに行動するとメンタルが強くなり、ストレスも対処しやすくなっていい感じっすね。

 

 

2. コントロール感を得る

自己コントロール感は超大事!みたいな話は、当ブログでもよく書いてるとおり。「人生がコントロールできない!」って感覚はストレスを増やす最大原因のひとつなので、具体的に計画を立てたりタイムマネージメントを学ぶことの重要性が強調されておりました。

 

 

3. 人とつながる

コミュニケーションのストレス解消効果は、アメリカ心理学会も取り扱ってましたね。激しいストレスを覚えたら、とにかく友人や家族と楽しく語らう時間を持つのが大事。

 

 

4. 自分の時間(MeTIme)を持つ

現代人の多くは、自分が心から試しめるような時間を持つことができていない。そのため、クーパー博士は週に2〜3日の夜間は必ず「自分の時間」を確保するように提唱しておられます。これは、「仕事が早く片付いたら自分の時間を取ろう」とか思うんじゃなくて、「必ず好きなことをする時間を確保するぞ!」って意気込みで事前に計画しとくのがポイント。

 

 

5. チャレンジする

受け身な休憩法ばっか使ってると逆にエネルギーが低下するんで、なんか新しいことにチャレンジした方が実はストレスは減る。新しいことを学ぶとストレス解消になるよーってのは、確かに過去の研究でも出てましたね。新しいスキルや知識を装備することで「何かをやるぞ!」ってモチベーションが高まり、これがストレス解消になるんだそうな。

 

 

6. 不健康な習慣を避ける

ストレス解消のために酒、タバコ、カフェインに逃げると逆に死ぬので注意。博士いわく、「それは砂の中に頭を突っ込むようなものだ。一時的にストレスから目をそらせるかもしれないが、問題が消えることはない」とのこと。まぁ当たり前ですね。

 

 

7. 他人を助ける

他人に親切にするとメンタルが改善するよーってのも、当ブログでよく書いているとおり。ボランティアやコミュニティワークなどをやってる人テャ、メンタルのレジリエンス(回復力)が高まるってデータはかなり多いんですよね。博士いわく、「自分よりも不幸な人を助けることは、自分の問題を解決するのに役立つ」とのこと。

 

 

8. がんばらずに賢く働く

「賢く働く」ってのは、「がんばるぞ!」みたいに精神論で仕事に取り組むんじゃなくて、ちゃんとタスクの優先順位をつけて成果が上げる作業だけに集中しようねーみたいな話です。言われてみれば当たり前の話なんですけど、ストレス解消のポイントとしてあげられるのは珍しいかもですね。

 

 

9. 感謝する

「感謝」はポジティブ心理学の基本。ということで、博士も「人はいつも自分が持っているものに感謝しているわけではない」ってポイントを強調しておりました。なかでも「友人や家族についての感謝を書く」のは定番中の定番なんで、試してみてもいいでしょうね。

 

 

10. 変えられないものを受け入れる

どうにもならない問題にリソースを注ぐとストレスがたまるばかりなので、自分でコントロールできることに集中するほうが吉。博士いわく「あなたの会社が倒産して人員削減を始めたら、こちらができることは何もない。そのような状況では、新しい仕事を探すなど、自分で行動できることに集中しなければならない」とのこと。

 

 

 

そんなわけで、アメリカ心理学会のリストは具体的なテクニックが多かったのに対して、イギリス保険サービスは抽象的なガイドラインになってますね。そのぶんとっかかりにくいって問題はあるものの、いずれのポイントもポジティブ心理学の世界でほぼ確定されたものばかりなんで、自分でうまく解釈していければかなり有効な覚え書きとして使えるんじゃないでしょうか。個人的には最近「Me Time」がほとんどないので、意識していかねばなー、とか。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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