感謝の気持ちを紙に書くと「脳の働き」がよい方向に変わるかもだ!というハーバード研究
「筆記開示」に代表されるとおり、自分の思考を紙に書き出す作業にはメリットが大きいわけです。なかでも有名なのは「友人や家族についての感謝を書く!」って手法で、
みたいな報告が出てたりします(どれもいまいち実験の質は高くないんだけど)。
で、この手法の効果が高い理由はいろいろ言われてますが、新しい研究(1)は「感謝を紙に書き出すと脳機能が変わるのだ!」って結論になってておもしろかったです。
これはハーバード大学などの研究で、33人の女性を2つのグループに分けております。
- オンラインに日々の感謝を書き記す(「同僚が助けてくれた」とか)
- 日常のなにもないことを書き残す(「3時に掃除をした」とか)
両グループとも、書き出す作業は1日10分ずつ。実験期間は3週間であります。
それから全員をfMRIにかけて脳をスキャンしたんですが、同時に「お金をチャリティに寄付している画面」と「お金が参加者の口座に入ってきた画面」の2パターンを提示。これでどのように脳の反応が変わるかをみたんですな。
で、その効果がどうだったかと言いますと、
- 感謝日記をつけたグループは、前頭前野腹内側部のほうがより酸素を消費していた!
だったそうです。前頭前野腹内側部ってのは人間の「利他性」にかかわるエリアで、ざっくり言えば「他人に優しく行動できるかどうか?」みたいな要素をコントロールしております。つまり、感謝を毎日書き出すと、実際に脳の働きが変わリ、ヘルパーズハイを得やすくなるんだ、と。
研究チームいわく、
自分の感謝を表現すると、私たちに利他の喜びをもたらす神経回路が成長していく。
日々の感謝を記録したグループは、自分のお金をチャリティに寄付する場面に対してより強く反応するようになった。
とのこと。感謝の気持ちにはいろんなメリットがあるけど、それは実際に脳の変化によってもたらされるわけですな。
当ブログで何度か書いているとおり、「親切な行動」ってのは毎日の幸福度をあげる重大なポイント。もちろん、この研究だけだと長期的な変化はわからないんですが、意識せずとも他人に親切な行動を取れるようになるために、とりあえず毎日の感謝を記録しておくとよいのかもですねー。