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ケガをしてトレーニングができなかった!あとの回復期には何をしたほうがいいのか問題

Bloodflow

 

加圧トレーニングってどうなの?他のやり方よりも優れてるの?」って議論は昔からありますが、個人的な意見としては、

 

  • 加圧でも普通の筋トレでもちゃんとやれば効果は同じっぽい
  • ただし加圧が時間の節約になるのは間違いないので、時間がない人はやってみては?

 

といったところです。並外れてすごい方法とは思わないものの、相応のメリットはあるよなーぐらいの感じ。

 

 

が、新しい論文(1)は、「リハビリ用のトレーニングには加圧がいいのでは?」って結論になってて、なるほどなーと思いました。

 

 

これは過去に出た加圧トレーニングの研究から20件をまとめたメタ分析で、

 

  1. 加圧式
  2. 軽めの筋トレ
  3. 負荷が高い筋トレ

 

の3パターンのうち、どれがもっともリハビリに優れているかをチェックしたんですな。ここでいう「リハビリ」の対象者ってのは、

 

  • じん帯を痛めちゃった人
  • ヒザをやっちゃった人
  • 骨を折って運動不足な人
  • 歳のせいで筋肉が減った人

 

などを指しております。つまり、ケガによるトレーニング不足から復帰するには、どのタイプの筋トレがいいか?って問題を調べてくれたわけです。

 

 

その結果をざっくりご紹介しますと、

 

 

負荷が低い筋トレとくらべた場合

  • 負荷が低い軽めの筋トレにくらべて、加圧のほうが筋力をアップさせる効果は高い(効果量は中程度)
  • 全体のおよそ69%は、軽い筋トレよりも加圧のほうが筋力が改善している

 

 

負荷が高い筋トレとくらべた場合

  • 負荷が高い筋トレにくらべた場合は、加圧のほうが筋力をアップさせる効果は低い(効果量は中程度)
  • 全体のおよそ76%は、加圧よりもキツい筋トレのほうが筋力が改善している
  • ただし、キツい筋トレよりも加圧のほうが、トレーニング中の痛みと不快感は少ない
  • また、筋肉量については、高負荷筋トレと加圧式の効果は変わらない

 

だったそうな。筋力の回復は負荷が高いトレーニングのほうがいいものの、リハビリ期は痛みが少ないに越したことがないですからねぇ。その点で、全体的には回復期のトレーニングには加圧がよさげな感じ。

 

 

まぁこの研究については個々のデータの質は低いんで、あとで結論がくつがえる可能性もそこそこありそう。その辺はご注意ください。

 

 

また、多くの実験では、

 

 

ってのもポイントかと思います。両者のボリュームが同じならば普通の筋トレが負けるのは当たり前でして、決して「加圧式ならラクして筋肉が回復できる!」ってわけじゃないんで、こちらもおふくみおきください。

 

 

ってことで、リハビリ期のトレーニング法としては加圧も悪くなさげ。近所に信頼できるトレーナーがいるなら、試すのもアリかと思います。

 

 

いずれにせよ、ケガをしたときのトレーニングは慎重になるに越したことはないんで、ヒザやヒジを痛めた人なんかは低負荷か加圧をやるに越したことはないでしょうなぁ。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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