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エクササイズで無意識に埋め込まれた知識を活用しようぜ!みたいな話----「拡張された精神」

 

というわけで、ちょっと前に紹介した「拡張された精神」って本の覚え書きの続きです。

 

 

前回は「自分の感情を理解して身体が伝える知識にアクセスだ!」って話をしましたが、今回はその続きで、

 

  • 肉体の動きを使って身体的な認知を深めよう!

 

みたいな話をしていきます。エクササイズとかジェスチャーといった肉体の動きを通じて、無意識に溜め込まれた知識を活用しやすくしてみようって話ですな。

 

定期的に運動することで思考力や記憶力が高まるって話は、もはや言うまでもないでしょう。くわしくは「頭を良くする物質「BDNF」の量を増やすための運動ガイドライン」をご参照ください。

 

 

この本のなかでも「エクササイズは身体的認知を高める大事な要素だよー」と言ってまして、運動によって自分の肉体の変化への意識が高まり、結果として肉体がもたらすサインに敏感になると指摘しておられます。かつて書いた「『瞑想嫌い』がマインドフルネスを鍛えるにはどうすればいい?」に似た観点ですね。

 

 

でもって、本書では「運動で身体的な認知を高める方法」として、以下のポイントを強調しておられました。

 

 

エクササイズの2時間ルール

人間の認知機能は、運動をしてから2時間以内に高まると言われています。つまり、なにか大事なアイデアが必要であったり、難しい問題に取り組まねばならないような場面では、その2時間前には運動したほうが良いことになりますな。

 

ちなみに、これは子供でも同じでして、学校の休み時間に外遊びをした子供たちは、その後の頭の回転が良くなる傾向があるとのこと。子供の学習にも適用できるルールっすね。

 

 

ムーブメント・ブレイクを取り入れる

以上のことから、学習、創造、複雑な作業を行う直前に運動するのが有効なわけですが、ここで本書では、公衆衛生の専門家が「ムーブメント・ブレイク」と呼ぶ手法を使うよう推奨しておられます。

 

ムーブメント・ブレイク」ってのは、簡単に言えば「休憩中の運動」のことで、具体的な例は以下のような感じです。

 


・仕事や会議の合間に運動
仕事や会議の休憩時間にスマホを見てしまうと、結局は認知のリソースが削られてしまうのが逆効果。仕事と同じ脳領域を使っているため、せっかくの休憩の意味がなくなっちゃうんですよ。

 

その代わり、認知機能を高めた状態で次の仕事に挑むために、ちょっとした運動をしてみるといい感じ。その場でランニング、ジャンピングジャック、ヨガのストレッチ、腕立て伏せ、スクワット、プランクなどを取り入れるのがいいでしょう。

 

 

・ランチブレイク
昼食をどのように過ごすかも、認知機能に関わる重要なポイント。なかにはパソコンの前で食事をしたり、昼食をしつつ仕事を続けたり、SNSをチェックするケースが多いかもしれませんが、これもまた単に認知のリソースが削られてしまうだけなのでNGであります。

 

その代わりに、いったん仕事机からは離れ、食事の前に近所を散歩してみたり、同僚と一緒にランチを食べる前に30分のワークアウトを行うのも手であります。とにかくランチは徹底して認知を使わないようにしつつ、代わりにどうにかして体を動かそう!ってことですね。

 

 

・コーヒーブレイク
難しいプロジェクトに取り組まねばならないときは、その前にのんびりコーヒーなどを飲むのではなく、早歩きぐらいのスピードで元気に街を歩いてみるのが吉。どうしてもカフェインを摂取したい場合は、少し離れた場所にあるコーヒーショップを探すなどして、コーヒーを飲む前に歩数を稼ぐようにしてくださいませ。


著者いわく「仕事中に動きのある休憩を入れることで、本当に必要な休憩を取ることができ、おかげで脳リフレッシュボタンが押され、よりスマートに仕事に戻ることができる」とのこと。認知が必要な作業の前ほど運動をする!ってあたりは、私も心がけてるとこっすね(だいたいはマウンテンクライマーみたいな運動をしてることが多い)。

 

 

ってことで、本書が推奨する「身体的認知に効く運動のティップス」でした。次回もまだ身体的認知の話は続きまして、今度は「ジェスチャーの効能」について見ていきましょうー。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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