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人間関係をうまくやっていくスキルについて、EQ(感情的知能)のプロがまとめてくれております


  

人間関係知性(Relational Intelligence)」みたいな本を読みました。著者のダリウス・ダニエルズ先生は、ずっとEQ(感情的知能)についてしらべている研究者さんです。

 

 

本書はタイトル通り、人間関係をうまくやっていくスキルについてまとめたもので、ダニエルズさんはEQ(感情的知能)、IQ(知能指数)って概念に続いて「RQ」って言葉を推奨しておられます。要するに、人間関係を上手に操るのがうまいタイプの知性っすね。「◯Q」がいろいろ出てきて大変ですなぁ。

 

 

これが人生の成功や幸福に関わるのは当たり前でして、人間関係の重要性については「ハーバード研究 人間の幸福に大事なのはIQでもお金でもなく、なんだかんだで人間関係」でも書いたとおりです。人生のあらゆる領域は周囲の人々から影響を受けるので、これは当たり前のことっすね。

 

 

で、ダニエルズ先生はEQの研究を続ける内に、私たちの精神、肉体、経済などの進歩は、「人生で誰と関わるかで決まる!」ことに気づいたそうで、RQのことをおおむね以下のように定義しておられます。

 

  • RQとは、私たちの人生で誰と関わるべきか? その人を自分の人生でどのような役割を果たしてもらうか? 人間関係にかける労力や時間が多すぎるか、少なすぎるか? などを見分け、それに応じて人間関係を改善していく能力

 

ってことで、簡単に言えば「ピープル・スマート」と言われる人たちが持つ能力のことで、これができれば「そりゃあ人生は良くなるでしょうなぁ」って気がするわけです(結局はEQとだいぶ被ってる気もしますが)。

 

 

では、ダニエルズ先生がどんなことを提唱しているのかと言いますと、こんな感じです。 

 

 

  • まずは、自分の人間関係を定義することから始めるのがベスト。私たちの人間関係は、大きく以下のように分けられる。


    • 1. 友人
      いわゆる一般的な友人のこと。この関係では、なんらかのギブ・アンド・テイクを行うような関係性であってはならず、私たちが「楽な自分でいられるなー」と思えるような関係でなくてはならない。ダニエルズ先生は、「友人とは、"他の誰かになろうとする必要はない相手 “」と説明している。これは、友人との関係性で成長しないとか進化しないという意味ではなく、ただどんな問題でも受け入れられるような関係性を意味する。


    • 2. 仲間
      仲間は、友情に必要なつながりを築くのに十分な時間、興味、欲求がないレベルの人間関係を意味する。相性が悪かったり、共通の趣味がなかったり、性格に矛盾があったりなど、何らかの理由で表面的な付き合いよりも深い付き合いを好まない関係と言える。重要なのは、仲間を友人と混同してはいけないというポイントで、意外とこれができている人が少なかったりする。仲間と友人を混同すると、不要な人間関係にリソースを注ぎすぎたり、いらぬストレスを抱えてしまうことになる。


    • 3.アサインメント
      アサインメントとは、こちら側から一方的にギブを行う相手を意味する(メンティーとも言えますな)。部下に指導したり、顧客にコーチングしたり、子供を育てた入とと、こちらからひたすら情報や金銭、リソースを提供するような人間関係のこと。こちら側へのリターンを期待してはいけない相手と言える。

      ただし、アサインメントはこちらの人生に無意味という意味ではなく、他人に与えるという行為自体があなたの幸福度を上げ、それが人生の改善につながるケースは非常に多い。しかし、このアサインメントを友人を友人混同してしまうと、「こんなに与えてるのに見返りがない」と思ったり、必要以上の秘密開示してしまったりすることにつながる。


    • 4. アドバイザー
      アドバイザーは、あなたを導いてくれるタイプの人間関係を意味する。仕事の指導者や、スポーツのコーチ、自分で決めたメンターなど、こつらに知恵や方向性を与えてくれる人たちが典型例である。ただし、アドバイスをくれる人がいるからといって、その人がアドバイザーだとは限らないことは注意しておく必要がある。

 

 

  • 人間関係の4パターンが理解できたら、次のステップとして、いまの人生にどんなパターンの人間がいて、いまどのカテゴリーが不足しているのかを考えていく。このように意図的に人間関係を考えていかないと、私たちは常に人間関係に混乱とフラストレーションを抱き続ける可能性が高まる。


    • 自分の人間関係を振り返るためには、以下のような質問を自分に投げてみるとよい。


      • 1. 私はいま、自分の人生でどんな状態だろうか? 感情的には満ち足りているか? 職業的にはどうか? プライベートはどうだろうか? 自分の価値観を満たせているか? などなど、自分の現在で満足していることと満足していないところを掘り下げてみる。


      • 2. 私はいま、自分の人生でどんな人間関係を必要としているのか? 気晴らしが足りないのか? 親密な関係が必要なのか? 誰かに何かを与えたいのか? 指導者が必要なのか? など、いまの人間関係を振り返って、自分に足りないものはどこなのかを考えてみる。


      • 3. 私の人生で、足りすぎている人間関係はなんだろうか? 仲間ばかりと時間を過ごしていて、実は親密な関係がおろそかになっていないか? アサインメントが多すぎて、自分ばかりが割りを食っている気分になっていないか? などを考えてみる。

      • 4. どの人間関係を再調整するべきだろうか? 以上の質問をふまえたうえで、人間関係の調整が必要かどうかを考えてみる。人間関係を調整するには、新たな人間関係を追及したり、いまの仲間との関係を断ち切らなければならないこともあるかもしれない。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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