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恋愛学のプロ「最適な恋愛のパートナーを選ぶためには4つの視点を考えようぜ!」

 


「人間はどのような相手と恋愛したがるのか?」「良い恋愛相手を見つけるにはどうすればいいのか?」ってのは、世間ではよく見かける話題ですけども、学問の世界でもよく追求されてるテーマだったりします。例えば、

 

 

といった感じで、みんながどんな恋愛相手を選ぶのかについて、いろんな先生が調べてくれているわけです。

 

 

で、新しい研究(R)も、このテーマを取り扱ってくれてまして、著者の先生方は「恋愛候補評価理論(Mate Evaluation Theory)」ってのを提唱しておられます。研究チームは、数十年にわたる過去の恋愛研究を調べたうえで、私たちが恋愛の相手の評価するプロセスをひとつの理論にまとめたわけです。

 

 

この理論をざっくり一言でまとめると、「たいていの人は、4つのレンズを使って恋愛の相手を選んでいるよー」というものでして、そのレンズとは以下のようなものです。

 

  1. 共通レンズ:人間の文化や生物学的な特性のなかで、「好ましい」と判断されやすいルールで恋愛の相手を決めるパターン。たとえば、あるグループでは「おもしろいやつが一番かっこいい」と思われているかもしれないし、また別のグループでは「身長が高い人ほど魅力的なのだ」という考え方が強いかもしれない。また、人間が好ましいと思う特性は、ある程度まで生物学的に決まっているので、そこも大事。


  2. 知覚者レンズ:個人の性格、自尊心のレベル、拒絶への恐怖、過去の恋愛の記憶などにより、恋愛の相手を決めるパターン。たとえば、もともと楽観的な性格の人は「おもしろい」という特性をより好ましく感じるかもしれないし、拒絶への恐怖が強い人は「外向的でグイグイ来る人」に恐怖を覚えるかもしれない。


  3. 特徴レンズ:個人が相手に求める特性によって恋愛の相手を決めるパターン。一般的に言われる「好みタイプ」に近い。そのため、人によっては「おもしろい人」を好むだろうし、人によっては「おもしろい人」に重きをおかないことがある。


  4. 対象特化レンズ:特定の相手と共有する特別な経験によって、恋愛の相手を決めるパターン。たとえば、学生時代にイベントを成功させた思い出や、共通の知人をネタにした笑い話などを共有することで、相手への好感度が上がる。

 

言われてみれば「確かにそんなもんだなぁ」ってラインナップでして、多くの人は、これらの4つの要素を組み合わせながら、相手への魅力度が左右されているんじゃないでしょうか。

 


しかし、ここで研究チームは、多くの人が恋愛の相手を評価する際の大きな問題点を指摘しておられます。それをざっくりまとめると、

 

  • 大抵の人は4つのレンズで好感度を決めているのに、かなり多くの人が、実際につきあう相手を決めるときは「特徴レンズ」(要するに「好みのタイプ」)に注目しがちになっちゃうよねー

 

みたいになります。恋愛の相手を決める方法は、実際にはいろいろあるのに、いざ本命の相手を決めるときは、みんな自分の理想とする「タイプ」や「特徴」を相手に求めるんだよーってことですね。これはありそうだなぁ……。

 

 

もちろん、自分のタイプにこだわるのが間違いだとは言えないものの、あまりに行き過ぎると、他の3つの視点を無視しちゃうことなるもんで、

 

  • いざ選んだ相手が、自分が暮らす文化の価値観とはあいいれなかった!(共通レンズ)
  • いざ選んだ相手が、意外と自分の性格に合わなかった!(知覚者レンズ)
  • いざ選んだ相手が、具体的なエピソードトークで盛り上がらなくてつまらない!(対象特化レンズ)

 

みたいなトラブルにつながりがちなんだそうな。パートナー候補の理想的な特徴だけに注目することで、魅力や相性に影響を与えるその他の事柄を見逃してしまうわけですな。 「運命の人だと思ってたらヤバいヤツだった!」ってのは「恋愛あるある」ですが、このような問題は、4つのレンズすべてを考慮しないからなんだ、と。うーん、わかる。

 

 

というわけで、結局のところは「正しい恋愛相手を選ぶためには、いろんな視点から評価しましょうねー」っていう当たり前の話なんですが、「4つのレンズ」に分類してくれたことで、わりと見通しがよくなったんじゃないでしょうか。ちなみに、このレンズを使って相手をチェックするには、

 

  • 「共通レンズ」はわかりやすいポイントなので、ここからチェックをスタート。同じような文化的なバックグラウンドを共有しているか? 社会的な関心は似ているか? 生物学的に好ましい特徴を備えているか? ってあたりを掘り下げる。

 

  • 次に、「知覚者レンズ」を掘り下げて、そもそも自分の恋愛の特性はどうなのかも考える。たとえば、自尊心が低かったり、愛着スタイルが不安型だったり回避型だったりすると、どんなに良い相手でもうまくいかないことが多いので、そこを修正したほうがよいかもしれない。

 

  • 3番目に「特徴レンズ」を検討して「自分のタイプ」を掘り下げ、「これだけはゆずれない!」というポイントを明確にしておく。

 

  • 最後にターゲットに「対象特化レンズ」を掘り下げ、「この相手とどのようなストーリーを共有しているか?」「これから共有していけそうか?」を考える。

 

みたいな感じにすると、よりよい相手を選べる確率が上がるんじゃないでしょうかー。どうぞよしなに。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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