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あなたの人間関係を劇的に改善するかもしれない2つの質問

 


このブログでは、よく「愛着スタイル」の話をしております。愛着スタイルってのは、人間のコミュニケーションを3つのスタイルに分類したもので、以下のようにわかれます。

 

  • 安定型:人間関係の浮き沈みを受け入れることができ、うまくいかなくても過度に悩まないタイプ。他人と自分を信頼してコミュニーケーションが取れるタイプ。他人とほどよい距離を保ちながら接することが可能。

 

  • 不安型:一人で行動することに不安を感じ、相手に依存しやすいタイプ。自分に自信がないせいで、つい「相手に嫌われちゃう!」と思いがちなタイプ。熱しやすく冷めやすい関係性を築く傾向がある。

 

  • 回避型:相手が離れていくことを恐れるあまり、パートナー候補との間に壁を作ってしまうタイプ。他人は頼りにならないと思っており、距離を置いたコミュニーケーションを取ろうとする。親密になるのを嫌うので、相手からは冷たい人だと思われがち。

 

このような愛着スタイルは、幼少期に体験した大人との関係を引き継いでまして、私たちの人生に大きな影響をおよぼすことがわかっております。

 

 

基本的に不安型と回避型は、コミュニケーションがハードモードになることが多めで、これらの傾向が強い人は、自分がつらいのはもちろん、周囲の人間も不幸にしがちなんですよ。ちなみに、私は回避型が強いタイプです(前は不安型も強かったが、こっちはだいぶ改善した)。

 

 

ってことで、対人関係のトラブルを避けるためには、これから付き合う人の愛着スタイルを知っておくとかなり便利なんですけど、そこで参考になるのが、ヨーク大学などの研究(R)であります。

 

 

これがどんな研究だったかと言いますと、だいたい以下のようになります。

 

  1. 164人のヘテロな参加者(平均年齢22歳)を集め、週末に約1,900回のスピードデートに参加してもらう。

  2. その際に、参加者は自分の愛着スタイルに関する質問に答えてもらい、それぞれのデート後に相手の愛着スタイルを評価させる。

 

このような実験を何度も行うことで、「相手の愛着スタイルを正しく見抜くことはできないか?」を調べたわけですね。

 


すると、おもしろいもんで、他人の愛着スタイルってのは、以下の質問を自分に投げかけるだけで、それなりに判断できたらしい。

 

  1. 恋愛の関係において、◯◯さん(相手の名前)は不安で愛情に飢えていると思うか?

  2. 恋愛の関係において、◯◯さん(相手の名前)は親密さが苦手なのだと思うか?

 

当然、この質問は1番目が不安型で、2番めが回避型を確かめるものになります。めっちゃシンプルな質問ですけど、「この人の愛着スタイルはなんだろう?」と思ったときは、これら2つの答えを考えるだけでも、それなりに良い判断ができるらしい。そう考えると、人間の愛着スタイルってのは、わりと見抜きやすいものなのかもですな。

 

 

ちなみに、この研究では他にも複数の知見が得られてまして、

 

  • 不安型の愛着だと認識された人は、長期的なパートナーとして好ましくないとみなされた。

 

  • 回避型の愛着スタイルを持つ人は、自分の特性をごまかすのがうまいため、不安型よりも見抜く際の精度は落ちる(要するに、回避型は虚勢を張るのがうまいわけですね)。

 

  • 不安型の男性は、自分の愛着スタイルを他人に投影しやすい傾向があった(つまり、不安型の男は、誰を見ても「この人は不安型では?」と思いやすい)。この傾向は女性にも見られたが、男性よりは軽度。

 

  • これまでの研究により、私たちは、他人の顔写真を見ただけでも、その人の愛着スタイルをある程度まで見抜けることがわかっている。ただし、上述のとおり、不安型の人ほど自分の愛着スタイルを他人に投影しがちなので、写真から相手の愛着スタイルを判断するときは、より注意が必要になる。

 

って感じだったそうです。どうやら回避型はいまいち見抜くのが難しく、不安型は簡単に見抜けそうな感じですね。

 

 

いずれにしても、この研究は、恋人を作りたい場面だけでなく、「新しい友人を作りたい!」や「職場で交友を深めたい!」人といった状況では非常に有効だと思いますんで、誰かとの仲を深めたいときは、上記の2つの質問について考えてみるといいかもしれません。お試しくださいー。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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