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今週半ばの小ネタ:劣等感と優越感を持ちやすい人、太陽でメンタル改善、スパイスで腸内環境が改善


ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

  

 

 

 

劣等感と優越感を持ちやすい人の特徴

劣等感または優越感を抱きやすいのはどんな人なの?ってのを調べたデータ(R)が出ておりました。世の中には、自分を無闇に下げる人と、自分の能力を過剰にアピールする人がいますが、果たして、このような違いはどこから現れるのか?って問題ですね。

 

 

これは1,046人の男女を調べた研究で、みんなの劣等感と優越感を尋ねたうえで、これを全員の性格特性と比較したんだそうな。その結果、劣等感と優越感を持ちやすい人には、特有のパーソナリティがありまして、

 

  • 劣等感を抱きやすい人は……

    • 神経症傾向が強い(つまり、感情が不安定で、不安になりやすい)。

    • 誠実性、協調性、外向性はちょっとだけ低い(つまり、コツコツやるのが苦手で、他人とうまくやるのが嫌い)。

    • マキャベリズムとナルシシズムが強い(つまり、他人を操るのが好きで、自分のことも好き)。

 

  • 優越感を持ちやすい人は……

    • 誠実性と外向性が高い。

    • 協調性が低い。

    • サイコパス、マキャベリズム、ナルシシズムと関係するが、特にナルシシズムが強い人が多い。

 

みたいな結果だったそうです。いろいろな結果が出てますが、すごーくざっくりまとめてしまうと、「劣等感にせよ優越感にせよ、どちらもナルシシズムの要素がめっちゃ大きい!」という傾向が出てますね。自己愛が強いかどうかが、個人の劣等感と優越感を左右するのではないか、と。これはわかるなぁ。

 

 

そんなわけで、「俺は人よりもダメな人間だ……」または「俺はすごい能力があるぜ!」と思いやすい人は、両者とも自分のナルシシズムをチェックしてみるといいかもですねー。

 

 

 

 

1日1.5時間の太陽でうつ病のリスクが下がる

メンタルを健康に保つには太陽の光が大事よねーって話をよく書いてまして、「パレオダイエットの教科書」でも、ちゃんと光を浴びましょうねーなどと書いております。

 

 

そこで、新しいデータ(R)も「太陽とメンタル」にまつわる内容で、結論から言いますと、

 

  • 1日平均1.5時間ずつ太陽光を浴びる人は、うつ病のリスクがめっちゃ低くなる!

 

みたいになります。これまで言ってきたとおり、太陽光を浴びるとビタミンDが生成されるし、ストレスホルモンであるコルチゾールの濃度が低下することが分かっていまして、メンタルに良いのは間違いないですからね。

 

 

これは38~73歳の男女380,976人を対象にした調査で、夏と冬にどれぐらい屋外で過ごしたかをチェック。と同時に、みんなの遺伝子も調べて、うつ病のかかりやすさも考慮しつつ、12年半にわたってメンタルの変化を追いかけたらしい。

 

 

すると、調査期間のあいだに3.58%がうつ病と診断されたんですが、うつ病にかかりやすい人の特徴としては、

 

  • 年齢が高い
  • 女性である
  • 喫煙者
  • 日焼け止めを使っていない
  • 低学歴
  • BMIが多い
  • 睡眠時間が短い
  • 大気汚染にさらされている
  • うつ病にかかりやすい遺伝子を持っている

 

みたいな傾向があったらしい。いずれも昔からうつ病リスクとして知られているので、ここらへんには意外な感じはないですね。

 

 

でもって、一方で、うつ病リスクが低い人もいまして、

 

  • 最もうつ病リスクが低かった人は、1日平均1.5時間外光を浴びていた。
  • ただし、太陽光を浴びる時間が、1日に1.5時間以下の参加者はうつ病リスクが9%上がり、1.5時間以上の参加者は13%上がる。

 

って感じだったそうな。太陽光を浴びる時間は、多すぎても少なすぎてもメンタルに悪いかもしれないわけですね。

 

 

太陽光が多すぎるとメンタルが低下する理由はわからんですが、研究チームは「紫外線を長時間浴びると、睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌量が減るからでは?」と推測しておられます。メラトニンが減ると眠りづらくなり、それがメンタルの低下につながるかも?ってことですな。

 

 

個人的には、1日に1時間も太陽光を浴びるのは辛いですが(美容の問題から)、やっぱある程度は太陽にさらされないとなぁ……とは思いましたねぇ。

 

 

 

 

スパイスが腸内環境の改善に効くかも

最高の体調」では、「とにかく腸内を整えようぜー」みたいな話を書いてますけど、新しいデータ(R)では、

 

  • スパイスで腸内環境が整う……かも?

 

みたいな結論になってて良い感じでした。これは48人の男女を対象にしたテストで、みんなを3つのグループにわけて、

 

  1. 1日0.5gのハーブを食べる
  2. 1日3.3gのハーブを食べる
  3. 1日6.6gのハーブを食べる

 

って感じで4週間ほど同じ食事を続けてもらったらしい。ここで使われたスパイスは、日常で使われるものばかりで、

 

  • シナモン
  • ジンジャー
  • クミン
  • ターメリック

 

などが使われております。このブログでもおなじみのラインナップですね。その結果、すべてのグループでルミノコッカス属の細菌が増加しまして、1日6.6gのハーブを食べたグループの増加率がすごかったらしい。

 

 

もちろん、ルミノコッカスが増えたからといって、それがどこまで健康状態の改善につながるかはわからんのですが、そもそも上記のスパイスが体に良いことは、ある程度まで確立されてますからねぇ。「腸内を整えるためにもスパイスは使えるかもよー」と認識しておくとよいのではないでしょうか。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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