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今週の小ネタ:ガーデニング脳にめっちゃ良い、ディープトークのメリット大きすぎ、芸人になりやすい人


ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

 

ガーデニング、脳にめっちゃ良い説

ガーデニングのストレス解消効果がすごい」という話を以前にも書きましたが、新しい研究(R)もガーデニングのお話です。その結果を一言でまとめると、

 

  • ガーデニングをする人は歳を取ってもIQが高い!

 

みたいになります。たいていの人は、歳を取ると認知能力が下がっていくものですが、ガーデニングを定期的に行っている人はIQが衰えにくいんだそうな。

 

これはスコットランドなどに住む数百人の高齢者467人を追跡した長期研究で、みんなに空間能力、言語的推理、数学のテストを受けてもらったんだそうな。被験者のうち43パーセントは定期的にガーデニングをしており、31パーセントはガーデニングをしたことがなかったらしい。

 

その結果、なにがわかったのかと言いますと、

 

  • 学歴、運動、お金の有無など要因を考慮しても、79歳までずっとガーデニングを続けている人ほど、より多くの知性を獲得していた。

 

  • ガーデニングをする人は、79歳以降も認知能力の優位性を維持していた(この時期には認知能力は低下するのが普通)。

 

といった感じだったらしい。ガーデニングをやってる人は、歳を取っても頭が良いままでいられるわけですね。

 

ガーデニングが脳に良いのは、そもそも園芸が良い脳トレになっているからであります。研究チームいわく、

 

ガーデニングを行い、植物について学び、庭の手入れ全般を行うには、記憶や実行機能といった複雑な認知プロセスを使わねばならない。

 

認知機能は「使わないものは衰える」というルールでできている。そのため、ガーデニングで認知機能を使えば、認知機能が低下するリスクも下がるだろう。

 

とのこと。もちろん、この研究を見ただけでは、ガーデニングがどのような面で有益なのかはわからないんだけど、認知機能は鍛えられるし、定期的に自然に触れられて体も動かせるんだから、良い趣味なのは間違いないでしょうな。

 

ちなみに、ガーデニングには認知の健康に対するメリット以外にも、多くの利点があると研究チームは書いてまして、

 

英国では、65~74歳の約70%が余暇にガーデニングをしている。ガーデニングをする人は、しない人に比べて、身体的健康、心理的ウェルビーイング、生活満足度が高い。

 

ってことなんで、庭いじりに限らず、何かアウトドアな趣味をひとつ持っておくと良いかもですな。

 

 

 

ディープトークのメリット大きすぎる説

近刊「最強のコミュ力のつくりかた 」では、「魅力的な人ほど深い会話に入るのがうまい!」みたいなポイントを強調しております。コミュ力がある人ってのは、“人生の価値観”や“死生観”といった深い会話をする確率が高く、そのおかげで自分の魅力を高めているみたいなんですよ。いわゆるディープ・トークってやつですな。

 

で、新たなデータ(R)もディープ・トークにまつわる話で、

 

  • 対面で深い会話をすればするほど、幸福感が高まり、孤独感が減少するぞ!

 

って結論になってます。ディープ・トークは人間の魅力を高めるだけでなく、個人の幸福感もアップさせてくれるわけですな。

 

この結論は、3年間にわたって約3000人の学生を調べて得られたもので、みんながどこでどのようにコミュニケーションを取り、その時何をしていたかについてのデータを収集して、これを分析したんだそうな。

 

その結果について、研究チームいわく、

 

私たちの研究は、有意義な社会的交流が、感情的幸福、ストレス、孤独感に対してプラスの結果をもたらすことを示している。

 

相手との結びつきが強くても弱くても、より多くの時間を実質的で深い会話に費やすことは、たいていの人の幸福の結果に利益をもたらす。

 

ということで、ディープトークが多い人ほど幸福だし、ストレスが低いし、孤独感にも強いって結果だったらしい。それはそうでしょうなぁ。

 

ちなみに、ここから得られた他の知見としては、

 

  • オンラインの交流も同じようなメリットがあるかと思いきや、そんなに感情が改善するわけではない。

 

  • ほとんどの人は、顔を合わせて交流した方が幸せで、孤独を感じない傾向がある。オンラインは対面の代わりにはならないが、それでも何もしないよりはまし。

 

といった結果も出てるんで、ここは注意しておきたいところです。テキストやダイレクトメッセージの会話も悪くはないんだけど、結局は対面での会話にはまったく勝てないので、そこは心がけておきたいっすね。

 

これに加えて、文献から読み取れることを並べておくと、

 

  • 会話中に他の活動を同時に行っている人は、会話のメリットを得られなかった(要するに、会話に集中しろってことですな)。

 

  • 外にいる人、運動している人、公共の場にいる人は、社交的な交流から最も多くのメリットを得ている。

 

  • 一般的に、家にいるときはポジティブな感情が少ない。

 

  • コミュニケーションの質が低かったり、会話に集中していなかったりすると、他人とかなり接触しているにもかかわらず、孤独を感じてしまうことになる。

 

といったあたりも押さえておきたいところです。いかに大量のコミュニケーションを重ねても、気が散ってたら孤独は深まるばかりなんで、そこもお気をつけください。また、ディープトークのコツについては、「最強のコミュ力のつくりかた 」をご参照ください。

 

 

 

芸人になりやすい人はどんな人?

コメディアンになりやすい人の性格を調べたよー」ってデータ(R)がおもしろかったのでメモ。芸人になる人には、特有のパーソナリティ特性があるのかって問題を調べてくれたわけですな。

 

研究チームいわく、

 

ユーモアには、「情報の処理における突然の驚くべきシフト」という要素が含まれる。

 

そのため、ユーモアを生み出すのに必要な能力は、精神病(統合失調症と双極性障害の両方)の人々の認知スタイルを特徴づける要素と、驚くほど似ている。

 

などと申しておられます。「お笑いの基本は裏切りだ!」って考え方がよくありますが、裏切りを実践するためには発想をいったんぶっ飛ばす必要があり、それは統合失調症や双極性障害に悩む人の脳の使い方と似ているんじゃないか?って考え方ですね。

 

ということで、研究チームはコメディ協会に働きかけて、その会員にO-LIFEってテスト(双極性障害と統合失調症を測定する尺度)に答えてもらうように指示。その結果を、芸人以外の人たちが答えたデータと比べたんだそうな。

 

すると、普通の人と比べて、芸人には以下のような特徴があったそうな。

 

  • 芸人の脳の使い方は、統合失調や双極性障害との重複が顕著だった。

 

  • 芸人の多くは、身体的、社会的な喜びを感じることにめちゃくちゃ困難を感じることが多く、この状態は「快感消失」と呼ばれる。そのせいか、反社会的で不適合者である傾向もあった。

 

  • テレパシーや超常現象を信じたりと、魔術的な思考をする傾向があった。そのせいで気が散りやすく、集中するのが難しい傾向があった。

 

  • 俳優の性格テストとの結果を比べたところ、俳優は「快感を感じる」という点では一般人と同じレベルだったが、その他の性格特性は芸人と共有していた。ただし、芸人とは異なり、俳優たちは無気力症を経験する確率が低かった。

 

ってことで、研究チームの予想どおり、ユーモアと統合失調&双極性障害には、大きな関係があったらしい。身体や感情の喜びを得るのが苦手で、それゆえに“笑い”に向かっていくってのはおもしろいですねぇ。

 

研究チームいわく、

 

精神病そのものはユーモアにとって有害であるが、その程度が低い場合には、奇妙なことや珍しいことを連想したり、"枠にとらわれない思考"をする能力の向上につながる。

 

とのこと。精神病的な脳の使い方は、それが軽度であるならば、クリエイティブの向上につながるんじゃないかって話ですね。


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