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ネガティブな感情をすぐに手放すための「90秒ルール」を使ってみようぜ!


 

ハーバード大学の脳神経科学者であるジル・ボルト・テイラー先生が、「90秒ルールを覚えておくと人生が楽になるぞ!」みたいな話(R)をされていて、これがめっちゃ役に立つ内容でありました。テイラー先生は、「奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき 」「WHOLE BRAIN(ホール・ブレイン) 心が軽くなる「脳」の動かし方」などで有名な先生ですね。特に「奇跡の脳」は、自身が脳卒中に襲われた体験を科学者マインドで客観的に記述した名作なので、一読をお勧め。

 

で、このトークのなかで、先生はこんなことを言っておられます。

 

人が環境の何かに反応するとき、体内で90秒間の化学的プロセスが起こります。その後に残る感情的な反応は、その人が感情のループにとどまることを選択しているだけです。

 

ここで先生がどんなことを言っているのかと言いますと、

 

  1. 怒ったり悲しいことがあったりすると、アドレナリンやコルチゾールといった神経伝達物質が増加。これによってネガティブな感情が高まる

  2. しかし、これらの化学物質は長く体内にとどまるわけではなく、90秒間もすれば体内から完全に排出される。

  3. それなのに、みんな延々と怒ったり悲しんでるのはなぜ? それは、みんなが自分でネガティブな感情の原因をだらだらと考え続けて、自分で再び神経伝達物質を増やしているからだよ!

 

みたいな話です。本来は、ネガティブな感情をもたらす神経伝達物質は、ほっとけば体内から消えていくはずなのに、みんな自分で火に油を注いでるんだってことですな。

 

これは「無(最高の状態)」でも解説したポイントで、この本の中では「一の矢(最初の神経伝達物質の増加)に撃たれちゃうのはしょうがないけど、二の矢(自分で火に油を注ぐ状態)は避けたほうがいいよねー」のような表現をしております。言ってることはほぼ同じっすね。

 

テイラー先生が言うことには、

 

基本的に、脳の回路における細胞を見ると、すべての反応性は、単にその機能を果たしている細胞群に過ぎない。

 

あなたが自分の身に脅威があると考え、脳内にある恐怖の回路が起動した瞬間から、それに関連する感情回路が刺激される。

 

これが引き金となり、ノルエピネフリンなどの物質が血流に排出されるが、それは90秒以内に体内を駆け巡り、体外に排出される。

 

つまり、ネガティブな感情の引き金となる思考を思い浮かべてから、化学物質が体外に流れ出るまで、90秒もかからないのだ。

 

とのこと。ネガティブな感情を引き起こす物質は、90秒で体内から消えるので、もしその後でも、恐怖、怒り、不安、その他の感情をまだ感じているとしたら、それは生理学的な原因ではなく、あなた自身の思考が体内の化学変化を再び刺激しているだけだと言えるわけですね。

 

となれば、当然ながら、「とにかく90秒だけ待つ!」ってことができれば、ヤバい感情のループにはまり込まずにいられるはず。その具体的な対策について、テイラー先生は、以下のように言っておられます。

 

(なにかネガティブな感情がわきあがったら)時計の秒針を見てください。

 

秒針を見るやいなや、あなたは今、自分に起きている生理的な反応には関わらずに、その生理的な反応をしている自分を観察している状態になります。この状態を90秒ほど保つことができれば、あなたの体内から神経伝達物質が取り除かれ、気分が改善していきます

もちろん、この後にも、ネガティブな感情のループを刺激するような思考が発生することはあります。あなたの脳のどこかに記憶された、20年前の嫌な体験がよみがえってきたりするのです。そんな記憶を思い出すたびに、いつでもその回路は起動します。

 

しかし、頭が熱くなってきたら、ぜひ時計を見てください。 90秒さえ待てば、そんな怒りの反応は消えます。

 

ということで、ネガティブな感情の対策としては、これ以上ないレベルのシンプルさでよろしいですね。「モヤったら90秒待つ!」と考えておくだけで良いのはナイスですね。

 

ちなみに、あくまで私見ですが、このテクニックの効果をさらにアップさせたいときは、以下のようなポイントを守ると良いかもしれません。

 

  1. 自分のトリガーを知っておく:90秒ルールを使う前に、自分がどんなことに対してネガティブな感情が起きやすいのかを押さえておくとよいでしょう。上司に怒られたとき、他人の失敗を見たとき、自分が疲れ切ったときなど、誰が、いつ、どこで、何をしたときに、ネガティブな感情が起きるのかを理解しておくわけですね。このポイントを押さえておかないと、90秒ルールを思い出す前に、ネガティブな感情に飲み込まれやすくなるので注意。


  2. 身体の変化も押さえておく:90秒ルールを使う前に、自分の肉体が、嫌なことに対して身体がどう変化するのかも押さえておくとよいでしょう。すべての感情には生理的な“サイン”がありまして、たとえば、怒りであごをかみしめたり、首の筋肉が硬くなったり、心拍数が上がったりみたいなことですね。こちらも、あらかじめ知っておくと、90秒ルールを発動させやすくなりますんで、普段から自分の体に意識を向けて、ネガティブな感情がわいたときに「自分の身体にどんな変化が起きたか?」とセルフモニタリングしておいてくださいませ。

 

以上をふまえたうえで、ぜひ楽しく90秒ルールをお使いくださいませー。


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