"あれ"があるかどうかで夜中によく眠れるかどうかが決まるぞ!という実験
睡眠ってのは複雑な現象で、栄養や運動が足りないと質が下がるのはもちろん、「人生に目的を持っているかどうか?」なんて抽象的な要因にも大きく影響されたりします。
ってことで、新しい論文(1)もまた「睡眠の質を左右する大事な要素を見つけたよ!」って内容になってておもしろいんですな。
これは中東工科大学の研究で、698組のカップル(年齢は35〜86歳)を対象にしたもの。調査では全員に以下のような内容を尋ねております。
- パートナーがどんなキャラクターか?
- パートナーとの関係性はどんな感じか?
- 睡眠の質はどんなものか?
でもって、すべての答えをまとめて分析したところ、
- “レスポンシブ”なパートナーがいる人ほど夜中にぐっすり眠れている!
って傾向がハッキリと確認されたんですな。レスポンシブは直訳だと「反応がいい」みたいな意味ですけど、要するに、
- 共感力が高い
- 助けになってくれる
- 面倒見がよい
みたいなタイプの人を指してます。人間力が高い人とも言えますかね。
というと、「オレはパートナーがいないから関係ない!」と思っちゃう人がいるかもですが、
今回の研究結果によれば、レスポンシブなパートナーを持つ者は不安レベルが低く、過度な興奮も少ない。その結果、睡眠の質が改善するのだ。
ってことなんで、彼氏彼女がいるかどうかよりも、ストレスを減らしてくれる良質な人間関係を築けているかどうか?がポイント。なので、パートナーでなくとも、良い家族や友人がいればそれでOKとも言えましょう。
さらに研究チームいわく、
レスポンシブなパートナーの存在は、最悪の状況においても庇護の感覚をあたえてくれる。これは、私たちが不安、緊張、興奮を減らすためのもっとも効果的な手段だ。
とのこと。ちなみに、2013年のデータ(2)でも同じような傾向が確認されてて、睡眠不足を訴えている10代の若者には、良い友人や家族がいない傾向が非常に高かったんだそうな。
さらに、睡眠と人間関係の影響は双方向になっていて、
- レスポンシブな友人やパートナーがいる
- ストレスが低下する
- 睡眠の質が上がる
- 良質な睡眠でさらにストレスが低下する
- ストレスが低いせいで人に優しくなる
- さらに人間関係が良くなる
といった正のスパイラルを生み出すことがわかってたりします。「なんか眠れない……」って方は、とりあえず対人関係に思いをはせてみちゃいかがかと思う次第です。