ダイエットの失敗率を激しくアップさせる大問題「スティグマ」に気をつけろ!という実験
体重を落とすにメンタルの管理が欠かせないのはご存じのとおり。事実、意識的にカロリー制限をしなくても心理的なテクニックだけである程度の効果があることもわかっております。
でもって、近年のダイエット研究でよく聞くようになったのが「ダイエット・スティグマ」の問題であります。なんだか難しそうな言葉ですが、簡単にいえば、
- 他人からネガティブに判断されること!
です。肥満をからかわれたりとか、ダイエットしてるのをバカにされたりとか、そういったことですな。
いかにもメンタルに悪そうですが、肥満への悪影響が大きいこともいろんなで立証ずみ。スティグマが大きいほどダイエットは失敗しやすく、たとえばテレビでデブをバカにするようなシーンを見ただけでも体重は減りにくくなっちゃうんですよ。人間って繊細。
さて、ここで紹介するのもスティグマに関する研究(1)で、「他人からダイエットをバカにされたらどうすべきか?」まで調べてくれてて有効でありました。
これは北カロライナ州立大学の実験で、40人のダイエッターを対象にしたものです。平均で34キロのダイエットに成功した人だけを集めたそうで、かなりの成功者ぞろいっすね。
研究チームは、すべての被験者にくわしいインタビューを実行。ダイエット成功までの過程で、「どんなときにもっっとも挫折しそうになったか?」を掘り下げていったんだそうな。
そこでどんな傾向が出たかと言いますと、
40人の被験者は、みんなどこかのタイミングで、他人からダイエットの努力にケチをつけられていた。これは「リーンスティグマ」と呼ばれる問題で、ダイエットのモチベーションを大きく低下させる。
とのこと。やはり多くのダイエッターにとっては、家族や友人からのスティグマが大きな問題だったみたい。当然といえば当然ですけども。
では、成功したダイエッターたちが、この問題をいかに乗り越えたかと言いますと、以下のようなテクニックで対抗したそうな。
- 周囲の人たちに、前もって自分が痩せたい理由を細かく伝えておく
- 周囲の人たちに、気を使って自分の食事に合わせる必要はないことを伝えておく(「私はサラダを食べるけど、別に好きにラーメンを食べていいからね!」みたいな)
- 周囲の人に合わせて食べねばならない時は、チートデイとして計画を立てておく
- 「不健康な食事をするときは少量にする」と前もって心がけておく
- 家族の集まりなどでたくさん食べねばならないときは、その前の食事を軽くすませる
- 食事がかかわる状況にはなるべく出ない
- 不健康な食事を勧められたら「アレルギーがあって……」と伝えて断る
言われてみればどれも当たり前な対策ではありますが、確かに事前に心がまえをしておくだけでもかなり違うんでしょうなぁ。
ってことで、あなたにスティグマを与えてくる人はどんな世界にもいますんで、ダイエットに挑む方は意識しておくと良いかと思われますー。