目標を確実に達成したいなら、事前に「失敗しておく日」を作っておこう!みたいな話
つい先日「正しいダイエットにはチートデイが必要だ!」 なんてネタを書きました。カロリー制限をするときは、定期的にチートデイ、すなわち「わざとドカ食いする日」を作ったほうが効果的だって話です。
その理由は、体内のホルモンバランスが調整されるから。定期的に十分なカロリーをとることで、脳が安心して脂肪を燃やし続けてくれるんですね。
が、近ごろ出た論文(1)では、さらに「すべての目標達成においてチートデイは有効だ!」って結論になっていておもしろいです。ダイエットだけでなく、貯金や勉強でもチートデイは効果があるんだ、と。
チートデイを作るとモチベーションが続く
これはポルトガル・カトリック大学の実験で、まずは36名の参加者を以下のグループにわけたんですね。
- 週一のチートデイを作って2週間のカロリー制限
- 普通に2週間のカロリー制限
すると、チートデイを作ったグループのほうが体重が減ったのはもちろん、
- ダイエット期間中のセルフコントロールの感覚がアップ!
- ダイエットがより楽しいと感じられた
- 減量へのモチベーションがより高くなった
などの変化が出たらしい。研究者いわく、
特定の行為や習慣をおさえ続けていると、やがて「どうしても抗えない衝動」が首をもたげてくる。
この衝動は自己コントロールの能力を破壊し、結果として以前よりも事態は悪くなってしまう。
今回の実験データは、シンプルで効果的な自己管理のヒントになるだろう。目標を達成するには、あらかじめ「快楽にふける瞬間」を計画しておくのが大事だ。その快楽は、良いことでも悪いことでも構わない。それだけで目標達成の可能性は格段に高まる。
とのこと。どうやらチートデイは心理的なメリットもかなり大きいみたいですね。
あえて失敗したほうが成功率は高まる
もうひとつの実験では、今度は64名の参加者を以下のグループにわけたらしい。
- チートデイの方法を教える
- なにも教えない
研究者いわく、
予期せぬ失敗は「敗北の感覚」を生み、失敗の連鎖を起こす。これは「どうにでもなれ効果」と呼ばれる現象で、目標達成のモチベーションは完全に失われてしまう。
ところが、失敗してもいい日を事前に計画しておくと、事態は真逆の方向へ向かう。チートデイにより、目標達成の能力が逆に強化されるのだ。
もちろん、チートデイだからといって、あまりに快楽にふけり過ぎるのは考えものだ。目安としては、週に1回のペースで、全体の活動量の15%をチートデイに割り当てればよい。
って感じらしい。これはなかなか分かりやすい基準ですねぇ。何か目標をお持ちの方は、「全体の15%はサボる!」 とか決めておくといいかも。