抗生物質で頭が悪くなる!…かも、というマウス実験の話
https://yuchrszk.blogspot.com/2016/04/blog-post_29.html
ここんとこ「抗生物質の使い過ぎは良くないよー」って話を多く書いております。なんせ抗生物質は腸内環境を荒らすので、アレルギーや肥満、メンタル悪化の原因になる可能性が高いんですね。
抗生物質で脳の学習能力が下がった!
そんな状況下、今度は「抗生物質で脳の機能が低下!」みたいな論文(1)が出てきまして。
これはグラーツ医科大学の実験で、マウスにアンピシリンやバンコマイシンといった定番の抗生物質をあたえたもの。10日をかけて脳機能や腸内環境を調べたところ、
みたいな変化が出たそうな。くわしい経路はまだ不明ですが、とにかく抗生物質は脳がちゃんと動くために必要な物質を減らす可能性があるみたい。
脳の関門に細かい穴が開く可能性が
なかでも「へー」と思ったのが、脳の密着結合に異変が起きたところ。ご存じのとおり、血液と脳のあいだには強力な関所がありまして、ヘンな物質が頭に行かないようになっております。
ところが抗生物質を飲んだマウスは、この関所に細かな穴が開いていたというんですな。これは腸にすき間が開いて体に毒素が流れこむリーキーガットに似た仕組みでして、いわばリーキーブレインですな。
この実験だと、頭のなかに抗生物質の代謝物が増えた感じじゃないんですが、いちおう研究者はリーキーブレインによる脳機能の低下も想定してるみたい。怖いもんですなぁ。
もちろんこれはマウス実験ですし、一度に大量の抗生物質を使ってますんで、どれだけ人間でも同じ問題が起きるのかはまったく不明。ただし、とりあえず今の科学の目が腸と脳の関係に向かってるのは間違いないんで、注目しとくといい感じです。